“大分デビュー”の田中達也、好プレーにも危機感 「夏に獲ってもらった意味を考えると…」

熊本での経験が戦術フィットを容易に 「思い出しながらやっていました」

 一方で、田中がこれだけ早期に大分のチーム戦術にフィットした背景には、その経歴が関係している。

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「チーム戦術に関しては、去年の熊本でやっていたサッカーとかなり似ているところがあるので、この2週間は(熊本のサッカーを)思い出しながらやっていました。いろいろ発展する部分はありますけど、似ているところがあったのでスムーズに入れたのかなと思います」

 昨季の熊本では渋谷洋樹監督の下、田中は左右のウイングバックとして大ブレーク。選手の立ち位置を重視するサッカーのなかで、攻撃のキーマンとして躍動し、G大阪からのオファーを勝ち取るに至った。「考え方は、熊本時代の渋谷さんとカタさん(片野坂監督)は似ています」と田中。だからこそ、大分でもどのようにして自分の力をチームに還元するのか、イメージは明確だ。

「自分にできることをやるということ。立ち位置で優位に立つというところが、トリニータのサッカーにはある。僕には僕のできることがあって、インサイドに入ることも含め、数的優位の作り方も他の選手とは違うところもある。自分なりのやり方というのは意識しています。サイドでドリブルというのが自分の特徴ですし、1対1になっているのなら、もっとボールを受けて仕掛けていければと思います」

 さらに、約半年の在籍となったG大阪での日々も、現在の自身を構成するエッセンスを与えてくれたという。

「ガンバでは日々高いレベルで練習できたことで、ボールを持っている時に余裕が出てきた。本当に強度が高い練習を毎日やっていて、単純にレベルの高い選手たちとやったことで上手くなったかなと思います。自信を持ってドリブルできていると思います」

 戦術理解度も高く、日本屈指の環境でトレーニングを積んだことによって、良い意味での余裕も生まれた。今年で27歳となった田中だが、この1年半の間に得た様々な要素を自分のプレーに落とし込み、大分の地でさらなる覚醒を迎えそうな気配だ。

「昨季と今季の前半で成長させてもらった部分を、今は上手く出せるようになってきている。あとはゴールやアシストという結果を求めてやっていきたいです」

 J1昇格1年目で躍進を続ける大分。他チームから研究されて迎える後半戦、田中が“違い”を作ることの持つ意味は大きくなってくるはずだ。

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