元Jリーグ外国人監督が語った「日本人選手の評価」 称賛した姿勢、物足りなさを感じた点は?

フィンケ氏の目に、当時の日本人選手はどのように映っていたのだろうか【写真:Getty Images】
フィンケ氏の目に、当時の日本人選手はどのように映っていたのだろうか【写真:Getty Images】

浦和監督時代のフィンケ氏が語った言葉をモラス雅輝氏が証言

 2009年から10年まで、J1リーグの浦和レッズで監督を務めていたフォルカー・フィンケ。ドイツで今も高く評価されている彼の目に、当時の日本人選手はどのように映っていたのだろうか。そこに今後の日本サッカーを考えるうえでのヒントがあるかもしれない。フィンケの下でコーチを務めていたモラス雅輝(現ヴィッセル神戸アシスタントコーチ)に5月下旬、オーストリアの地で会って話をすると、10年前を思い出しながら答えてくれた。

「根本的にはすごくいい印象を持っていたと思います。ありがちな話かもしれないですけど、『規律正しい』『練習をちゃんとやる』『ちゃんと言ったことは守る』というところは素晴らしいと。そういうことに関しては、本当に仕事をしやすかったでしょうね。フライブルクにいる時には、もっとやんちゃなアフリカ系の選手がたくさんいて、『30分遅れるなんて大したことないよ』というなかでやっていたわけですから。だから日本のプロ1年目の若手選手でさえ、練習時間の前には来て、体をケアして始動しているという状況はすごく良かったと思います」

 これは日本で指導歴のある他のドイツ人指導者に話を聞いても、口を揃えてみんなが褒めてくれる。ドイツサッカー連盟主任指導者育成インストラクターを長年務めていたベルント・シュトゥーバーも、「日本人を悪く言う指導者を私は知らないよ。向上心があり、常にまじめで熱心だ。こちらの意図をしっかりとくみ取ってくれる」とその姿勢を高く評価していた。

 その一方で選手の状況判断能力に関しては、フィンケも少なからず物足りなさを感じていたようだ。モラスは次のように振り返る。

「『連続的に繰り返すことによって習得できる技術は日本人は上手いよね』って言うんです。でも予想外のことが起きた時の対処とかですよね。彼がいつも言っていたのは『すべての状態において、一つの状況を解決するためにはいろんな案がある。優れた選手というのは、その中で常に正しい解決案を選択できる』と。そしてこの選択するプロセスにおいて、日本人選手はまだまだ改善の余地があるっていうふうにフィンケは考えていたようです」

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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