奮起を促す“2つ星”の最低評価は? 「エクアドル戦出場14人」を金田喜稔が採点

日本代表MF三好(左)【写真:AP】
日本代表MF三好(左)【写真:AP】

三好は“継続性”の面で物足りないパフォーマンスに…

■久保建英(FC東京→レアル・マドリード)=★★★★

 本気のエクアドルを相手に、18歳とは思えないプレーで次々とチャンスを演出した。右サイドが久保にとっての最適ポジションだと思うが、トップ下でエクアドルを相手にしても逃げず、自らのポジションに張っている。引きすぎてボールをもらうシーンもなく、相手を背負ってからのキープもできるし、捌くこともできるし、常にファーストタッチで前を向きながら本当に良い姿勢で全体を見回している。この試合では、“どれだけチャンスを作るんだ”というくらい決定的なパスを何本も通した。限りなく“5つ星”に近い“4つ星”で、すでに日本代表で十分にやっていけるクオリティーがあることを改めて証明した。

■三好康児(横浜FM/→後半37分OUT)=★★★

 コンビネーションの問題もあるが、2ゴールを決めたウルグアイ戦のようなパフォーマンスをこの日は見せられなかった。中3日でフィジカル的にきつい部分もあったのかもしれないが、エクアドルを相手に決定的なシーンに多く絡めず。ウルグアイ戦の活躍を受けて、継続性の部分で期待していたが、やや物足りないものとなった。

■柴崎 岳(ヘタフェ)=★★

 この試合の柴崎は途中で頭を負傷しながらも、ルーズボールに対して逃げずに闘っていた。効果的な守備をしながら、要所で縦パスをタイミング良く前線へ通す。柴崎が本来持っているプレーは、間違いなく出せていたと思う。ただ個人的に、今後数年間の日本代表を引っ張る新たなリーダーとして、彼に寄せる期待は大きい。その視点で見た時、ベスト8進出が懸かった大一番で、エクアドルになんとしてでも勝たなくてはいけない試合でのプレーとしては物足りない。攻守におけるパフォーマンスは間違いなく高かった。ミスもほとんどない。だが、両チームが生き残りをかけた一戦で、自分がリーダーとして勝負を決めるという気概を、より攻撃的なプレーで示してほしかった。もっとアタッキングサードに出て、フィニッシュの局面に絡んでほしい。柴崎にはそうした才能が備わっているし、彼が全身でそのようなプレーを見せれば、間違いなく求心力は高まりチームも勢いに乗れたはず。柴崎がこの殻を破った時、日本代表も次のステージへ行けるだろう。

■板倉 滉(フローニンゲン/→後半43分OUT)=★★★★

 プレスバックも含めて、中盤でバランサーとして攻守において貢献。特に守備面でのチームへの貢献度は、ウルグアイ戦よりもエクアドル戦のほうが確実に高くなった。間違いなく日本代表の“新たな発見”であり、今後はボランチのポジションを遠藤航(シント=トロイデン)らと争っていくはずだ。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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