東京五輪世代「ポジション別最新勢力図」 トゥーロン&U-20W杯を経て競争激化!

チリ戦でA代表デビューを飾った杉岡【写真:AP】
チリ戦でA代表デビューを飾った杉岡【写真:AP】

CBは冨安&板倉に続く3番手が混戦 WBは杉岡が絶対的な存在だが…

【センターバック】
■コパ・アメリカ組
− 冨安健洋(シント=トロイデン)
− 板倉 滉(フローニンゲン)
− 立田悠悟(清水)
— 原 輝綺(鳥栖)
■トゥーロン組
○ 岡崎 慎(FC東京)
△ 大南拓磨(磐田)
△ 田中駿汰(大阪体育大)
△ 椎橋慧也(仙台)
— 古賀太陽(柏)※負傷離脱
■U-20W杯組
○ 小林友希(神戸)
○ 瀬古歩夢(C大阪)

 CB陣は冨安と板倉が中心になることが予想されるが、その後はまだまだ混戦模様。立田と複数ポジションをこなせる原、怪我の橋岡大樹(浦和)が序列的には上と見る。ただ、トゥーロン国際大会で5試合すべてに出場した岡崎がアピールに成功。特に決勝戦ではブラジルを相手に、最後まで粘り強い守備を続けたことはプラスに捉えていいはずだ。

 またU-20W杯組では、小林と瀬古が世界の強豪に対して素晴らしい守備を披露。今後Jリーグで出場機会を増やしていくことができれば、五輪世代に食い込んでいける可能性もあるだろう。

【サイドバック/ウイングバック】
■コパ・アメリカ組
— 杉岡大暉(湘南)
— 岩田智輝(大分)
— 菅 大輝(札幌)
■トゥーロン組
○ 長沼洋一(愛媛)
○ 相馬勇紀(名古屋)
△ 舩木 翔(C大阪)
△ 川井 歩(山口)
■U-20W杯組
◎ 菅原由勢(名古屋→AZ)

 3バックが予想される東京五輪世代において攻守の肝となるウイングバックだが、杉岡以外に絶対的な存在がいない。コパ・アメリカ組の岩田、菅はJリーグでこそ結果を残しているが、この代表ではまだ自分たちの力を証明できておらず。今回のコパ・アメリカで、どれだけのパフォーマンスを見せることができるかが注目される。

 一方、トゥーロン国際大会では代表常連の長沼と、新戦力として呼ばれた相馬がアピールに成功。前者はイングランド戦でゴールを奪うなど結果を残し、後者は自身の特長であるドリブル突破から何度もチャンスを演出してみせた。特に相馬は名古屋と違うポジションに挑戦するという形だったが、及第点以上のパフォーマンスを見せたと言っていいだろう。

 そしてもう一人、忘れてはいけないのがU-20W杯に出場した菅原だ。韓国戦のミスが目立ってしまってはいるが、それ以外の場面ではほぼパーフェクトな守備を披露。強気なメンタリティーを含めて、五輪世代に入っていけるポテンシャルは十分にあると見る。

林 遼平

はやし・りょうへい/1987年、埼玉県生まれ。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。

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