“大槻采配”が呼び込んだ浦和の劇的勝利 2戦連続で交代策的中…背景にある判断力

浦和レッズの大槻監督【写真:高橋学】
浦和レッズの大槻監督【写真:高橋学】

「終盤にパワーがあるのは誰か」と分析 終盤投入のマルティノスが決勝点関与

 浦和レッズの大槻毅監督は、15日のリーグ第15節ホームのサガン鳥栖戦で正式監督への就任から2試合目にして初勝利。後半アディショナルタイムに劇的な決勝点が入った2-1の勝利に「選手の頑張りとサポーターの後押しのおかげ」と、勝因を語った。

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 浦和は5月26日のリーグ第13節サンフレッチェ広島戦に0-4で敗れると、2日後にオズワルド・オリヴェイラ監督と契約解除。そして、昨季に暫定監督を務めた経験も持つ大槻監督へのバトンタッチとなった。就任初戦となった6月1日の第14節、川崎フロンターレ戦はアディショナルタイムに劇的な同点ゴールで1-1の引き分け。そして、この鳥栖戦も劇的なゴールで勝ち点を上積みする形になった。

 もっとも、試合内容自体には大槻監督も満足はしていない。前線からのプレスがハマらなかった面については「我々の問題。修正に少し時間が掛かってしまった」と話し、攻撃面についても「意図的なボールの動かし方は積み上げが必要。攻守の切り替えも含め、多くの伸びしろがあるということ」と、課題の多い試合だったことを話している。

 一方で、最終的に勝利を手繰り寄せた一因は最後の交代カードに残していたMFマルティノスだった。試合前に「ジョーカーとして使うから準備をしておいてくれ」とマルティノスに伝えたという大槻監督は、試合が膠着した残り15分ほどの展開を読んでの決断だったことを話している。

「あの時間帯、試合がオープンになってきていた。Jリーグは最後の時間にオープンになることが多い。うちもまだ、オープンにせず組み立てて押し込んでいくということはできていない。そうなった時、終盤にパワーがあるのは誰かということ」

 ゴールシーンは、自陣のペナルティーエリアからすぐ外の左サイドでボールを拾ったマルティノスが、そこから一気に敵陣までドリブルで持ち運んだことで生まれた。マルティノスのラストパスは相手に当たったが、そのボールがFW興梠慎三のところまで届き、エースが冷静に流し込んだ。前節の川崎戦では交代出場のMF森脇良太が最終的にゴールを奪ったが、2試合連続で劇的ゴールの陰には途中出場で送り込んだ選手の存在がある。

 昨季の暫定監督を務めた際には、オールバックに固めて眼光鋭くピッチをにらみつけるような風貌から「組長」や「アウトレイジ」といったワードも飛び交ったが、その実は分析担当も歴任してきた冷静な判断力の持ち主。そして、埼玉スタジアムでのリーグ戦は約2カ月ぶりの勝利となり「(今日の勝利は)選手の頑張りとサポーターの後押しのおかげ」と、雨中のナイトゲームを戦い切った選手たちと浦和サポーターに感謝の言葉を残した。

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