「爪痕を残したい」 浦和FW汰木康也、リーグ初出場で“ドリブラーの系譜”に名前を刻む
今季山形から加入の汰木、途中出場でアシスト記録 「カウンターは狙っていた」
浦和レッズのドリブラーの系譜に、新たな名前が刻まれた。28日のJ1第9節、敵地での清水エスパルス戦は平成最後の試合となったが、途中出場してチームの2点目をアシストしたFW汰木康也にとっては、浦和でのJ1デビュー戦だった。
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互いに譲らず0-0で推移した試合で、浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督に最初に呼ばれたのは、今季開幕前にJ2モンテディオ山形から加入した汰木だった。指揮官が「彼はトレーニングでもパフォーマンスを上げてきている。段階的に成熟するのを期待している選手だ」と評価する男が送り込まれたのが後半27分。これまでAFCチャンピオンズリーグ(ACL)では3試合に途中出場していたが、リーグ戦では初めてのピッチだった。
「浦和でのJ1デビューをずっと意識して、楽しみに準備してきた部分もあったので、時間は少なくても爪痕を残したいという意識でした」という汰木が入った直後、浦和はCKの二次攻撃でDFマウリシオが先制点を奪取。そのため、汰木もまた「入ってすぐに先制したので守備に回る時間も長かったですし、低い位置にポジションを下げてセカンドボールを意識しました」と、1点を守る方向のチームに応じたプレーをせざるを得なかった。
それでも、「カウンターは狙っていたので。自分は低い位置からでもドリブルで前に行ける」という攻撃への鋭い意識は保ち続けた。そして、それが実ったのが試合終了間際。浦和は中盤でMFエヴェルトンとMF青木拓矢がマイボールをキープし、青木か一気に背後を取った汰木へフィード。完全に抜け出した汰木はドリブルで一気に前進し、相手GKを引き付けてFW興梠慎三へラストパスを送り、それを興梠が決めて2-0の勝利を決定づけた。
「ゴールが一番欲しかったですけど、デビューを目指してきたなかでそれができて、アシストという目に見える結果を残せたのは大きな一歩になると思うし、素直に喜びたいです。無理やり打ちに行こうかとも思ったんですけど、ゴール前での落ち着きが課題でもあったので、それがデビュー戦で出せたのも良かったと思います」
汰木は笑顔でこう話した。一方、パスを受けた興梠は「絶対にパスを出してくると思いました。あそこはあいつが打っても絶対に入らないですね(笑)」とコメント。そうした背景には、興梠が「あんまり後輩と一緒に遊ぶようなタイプではないけど、一番かわいがっている選手なので」と話すような関係性があった。