なでしこJは「技術に優れ、クレバー」 独代表の声で再確認した“武器”とW杯への課題

強豪ドイツ代表との親善試合は2-2の引き分けとなった【写真:Getty Images】
強豪ドイツ代表との親善試合は2-2の引き分けとなった【写真:Getty Images】

ドイツ女子代表戦を現地取材 相手監督と選手の言葉から見えた収穫と課題とは?

 ドイツ女子代表となでしこジャパン(日本女子代表)の国際親善試合が、9日にドイツのパーダーボルンにあるベンテラー・アレーナで行われ、2-2の引き分けに終わった。

 なでしこジャパンの高倉麻子監督は、試合後の記者会見で「1試合目(フランス戦)で一方的な印象をつけてしまったので、やはりしっかり修正していこうと思うところがありました。特に守備の選手間の距離感とか強度というところは、しっかり確認できていた。今日は危ないシーンもありましたが、ドイツの良さというのはある程度は出させなくできたかなと。攻撃のところでも(相手の)ミス絡みの得点でしたけども、そのほかでも形が見られたので、交代選手を含めていろいろな可能性が見えた試合です」と振り返っていた。

 もちろん、課題があるのは分かっている。それは各選手や監督のコメントからも分かる。誰もこれで、6月に開幕するフランス女子ワールドカップ(W杯)に向けて、もう大丈夫だなどとは思っていない。

 だが、直近10試合で9勝1分、W杯における優勝候補の一つであるドイツ相手の引き分けを、必要以上にネガティブに捉える必要もないだろう。昨年のU-20女子W杯優勝メンバーを起用したりと、チーム作りの最中での試合だ。収穫と課題が出てくるからこそ、テストマッチの意義がある。

 では一方のドイツは、2-2というこの試合の結果、内容をどのように捉えているのか。そして、なでしこジャパンの戦いぶりをどのように受け止めたのか。ドイツ女子代表監督マルティナ・フォス=テクレンブルクの試合後のコメントを交えながら考察してみたい。

「異なる前半と後半になった。最初の10分はまだ良かったが、その後ビルドアップに問題を抱えてミスから失点。特に前半のパススピード、パスの精度は満足がいくものではなかった」

 試合後の記者会見でフォス=テクレンブルク監督は、まずそこを指摘した。そして前半ロングボールばかりになってしまったドイツの攻撃について質問を受けると、「状況判断に問題があった。日本相手にすべての状況で突破しようと考えてしまったところがある。正しい決断ができなかったり、決断に時間をかけてしまった」と問題点を挙げている。

中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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