「生まれた時からレッズ」の横浜FM広瀬、浦和からJ1初得点 古巣への感謝と父との物語
浦和ユースからトップ昇格を果たせず J2の水戸、徳島を経由し今季から横浜FMでプレー
父がプレーして自身が下部組織で育ったチームから奪ったゴールが、J1初得点だった。横浜F・マリノスのDF広瀬陸斗は、5日に行われた敵地での浦和レッズ戦(3-0)に先発フル出場し、勝負を決定付ける3点目を決めた。
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父の治さんは、浦和の前身でもある三菱重工サッカー部からの生え抜きで、Jリーグ発足後も浦和で2000年まで現役としてプレーした。正確なキックの持ち主として知られ、鮮やかなフリーキックを決めたことも少なくない。その後、指導者としても浦和の下部組織での監督やトップチームのコーチも務めている。
その息子である陸斗もまた、浦和の下部組織で育った。しかし2014年、同期のMF関根貴大(シント=トロイデン)がトップ昇格を勝ち取った陰で、浦和のトップへは進めなかった。そして、J2の水戸ホーリーホックでプロキャリアをスタートさせると、翌年に徳島ヴォルティスへ移籍。4シーズンを戦うと、今季開幕前に横浜FMに加入してついにJ1でプレーするチャンスを得た。そして、この第6節が念願の古巣対決だった。
「悔しさもあったけど、その時ももう水戸のために頑張ろうと思っていたし、その後も行くチームのために頑張ろうと思ってきた。カテゴリーは違ったけど、J1でやりたいし、浦和ともやりたい気持ちがあるなかでずっとサッカーをしてきた。(古巣対決を)自分ではあまり意識しないようにはしていたけど、体が勝手にそうなっていたかなと思う」
そう話した広瀬に大きなチャンスが巡ってきたのが、チームが2点リードした後半25分だった。右サイドで細かくつないだ場面で、広瀬の一列前にいたFW遠藤渓太も右サイド方向にフリーランした。浦和のDF森脇良太がその動きに引っ張られると、広瀬の前にぽっかりとスペースが空いた。そこにFWマルコス・ジュニオールからのラストパスが届くと、この試合でファインセーブを連発していたGK西川周作を前に、広瀬は右足でゴール右に冷静なシュートを流し込んだ。
「もうマリノスの一員なのでうれしい気持ちのほうが強いけど、心の底から100%うれしいという気持ちかと言われれば、ちょっとは……。なんて言えばいいんだろう」