香川と2列目トリオにあった“差”とは? 「ボリビア戦出場17人」を金田喜稔が5段階評価
主将としての使命感に駆られていた香川 「周りの選手を生かすプレーに徹していた」
日本代表は26日、ノエビアスタジアム神戸で行われたボリビア代表との国際親善試合に1-0で勝利した。森保一監督は、4日前のコロンビア戦からスタメン11人を総入れ替え。代表復帰のMF香川真司(ベジクタシュ)らを中心に主導権を握るが攻めあぐね、後半31分に途中出場のMF中島翔哉(アル・ドゥハイル)が決勝ゴールを決め、辛くも1-0で勝利した。
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新戦力が思うような成果を残せず消化不良な一戦となったなか、1970年代から80年代にかけて「天才ドリブラー」として輝きを放ち、日本代表としても活躍した金田喜稔氏はその戦いぶりをどのように見たのか。ボリビア戦に出場した全17選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。スタメン全員を入れ替えたことで、新戦力にとっては「チームの幹」が失われたなかでのプレーに難しさがあったことを指摘しつつ、決勝ゴールを奪った中島や無失点に抑えた守備陣の多くに4つ星評価を与えた。
◇ ◇ ◇
<FW>
■鎌田大地(シント=トロイデン/→後半38分OUT)=★★★
1トップに慣れていないことがプレー全体に表れていた。最前線で相手の最終ラインと駆け引きし、一度戻りながらパスが出てくるタイミングで裏に飛び出していくというセンターフォワードらしい動き方が上手くできず、何度かオフサイドポジションにいるシーンもあった。特に前半は2列目とのコンビネーションが確立されておらず、ボールを引き出す形も作れなかった。鎌田自身は懸命にトライしていたが、この試合を見る限りは1トップとして起用し続け、結果を残せるかには疑問が残る。
<MF>
■香川真司(ベジクタシュ/→後半23分OUT)=★★★★
香川は本来ペナルティーエリア内でたくさんボールに触り、シュートで終わるというプレースタイルを得意とするトップ下。そうした得点に絡む“10番”というイメージからすれば、この日のパフォーマンスは不満が残るものだった。だが、左腕に日本代表のキャプテンマークを巻いてピッチに立った香川は、チーム全体を自らがコントロールしなくてはいけないという使命感に駆られた顔つきをしており、周りの選手の個性を引き出すためのプレーに徹していたように見えた。停滞感を払拭するほどのパフォーマンスは発揮できなかったが、それは香川と周囲の選手とのコンビネーションが確立されていないからだろう。中島ら2列目の3人が後半に入り、チーム全体のスピードがグッと上がったのは、彼らには現体制で積み重ねてきた阿吽の呼吸があったから。それだけに中島や柴崎など、チームの軸となる選手を残したうえで香川ら新戦力を試してほしかった。
金田喜稔
かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。