「自分の世界がない」と評した選手は? 「コロンビア戦出場16人」を金田喜稔が採点

「コロンビア戦出場16人」を金田喜稔が採点【写真:Getty Images & Noriko NAGANO】
「コロンビア戦出場16人」を金田喜稔が採点【写真:Getty Images & Noriko NAGANO】

コロンビアに0-1で敗れた日本代表 中島には攻撃陣で唯一の4つ星評価「“違い”を作れるところを見せた」

 日本代表は22日、日産スタジアムで行われたコロンビア代表との国際親善試合に0-1で敗れた。ロシア・ワールドカップ(W杯)で2-1と勝利した相手との“再戦”は、前半何度も相手ゴールに迫りながら得点を奪えずに折り返すと、後半は次第に相手に押し込まれ、同19分にFWラダメル・ファルカオ(モナコ)にPKを決められて失点。この1点を最後まで返すことができずに敗れた。

 準優勝に終わったアジアカップの主力を多く招集せず、後半途中からW杯以来の代表復帰を果たしたMF香川真司(ベジクタシュ)を投入するなど、テスト色の強い一戦となったが、個々のパフォーマンスは果たしてどのようなものだったのか。1970年代から80年代にかけて「天才ドリブラー」としてその名を轟かせ、日本代表としても活躍した金田喜稔氏が、コロンビア戦に出場した全16選手を5段階で評価(5つ星が最高、1つ星が最低)。PKのみの1失点に抑えた守備陣の奮闘を称えた一方、森保体制で初のノーゴールに終わった攻撃陣では中島翔哉(アル・ドゥハイル)に唯一の4つ星を与えた。

  ◇    ◇    ◇

<FW>
■鈴木武蔵(札幌/→後半20分OUT)=★★★

 これがA代表デビュー戦となる選手に、コロンビアを相手に大迫(勇也/ブレーメン)と同じ役割を求めるのは酷だろう。まだボールを持った時に“自分の世界がない”から、相手がいないサッカーをしてしまっていた。目の前に相手がいるのにぶつけてしまうクロスを選択するなど、状況に応じてプレーを選べるだけの選択肢がなかった。迫力のある動き出しで背後を狙う姿勢を見せていたが、今は高さも含めてランニングの部分でも“点”でしか勝負できない印象。流れのなかで相手との駆け引きを覚えていけるかが今後の課題だろう。

<MF>
■中島翔哉(アル・ドゥハイル)=★★★★

 アジアカップに負傷で参加できず、その後2月にポルトガルからカタールへ移籍した影響がどのように出るのかと注目していたが、その存在感は絶大だった。ロシアW杯後の日本代表において、攻撃のスイッチを入れるのは左サイドハーフの中島であり、彼が右足のアウトサイドを使って対峙した相手を内側に振り切った瞬間にチームが動き出す。その時の位置によってミドルシュートを狙ったり、前半37分に鈴木に送ったような逆サイドへのクロスを入れたり、ダイアゴナルに入ってくる南野や堂安へパスを通したり、さまざまな選択肢が生まれる。どのような相手にも、確実に“違い”を作れるというところを改めて見せてくれた。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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