「自分の世界がない」と評した選手は? 「コロンビア戦出場16人」を金田喜稔が採点

ロシアワールドカップ以来の代表復帰となった山口【写真:Noriko NAGANO】
ロシアワールドカップ以来の代表復帰となった山口【写真:Noriko NAGANO】

W杯以来の復帰となった山口は「攻撃面での関与に少し物足りなさがある」

■南野拓実(ザルツブルク/→後半34分OUT)=★★★

 守備面での貢献も含めて、決して悪いパフォーマンスではなかったと思う。序盤にドリブルで切り込んで左足を振り抜き、ゴールを狙うなど相変わらずの積極性も見せ、左の中島とのコンビネーションも良かった。ただ、香川投入後に1トップに回った後はインパクトを残せず。試合を通して3本のシュートを放ったものの、最後の部分での精度を少し欠いた。

■堂安 律(フローニンゲン/→後半26分OUT)=★★★

 左に中島が入ったことで、攻撃のスイッチを入れやすかったのだろう。序盤から仕掛けの意識が高く、シュートも前半だけで3本打った。自らのカットインだけでなく、タッチライン際を駆け上がる室屋を使うパスなど、相手にとって脅威となるプレーを見せたが、注文を付けるならやはり得点に絡めなかったこと。球際の強さ、ミドルシュートの意識の高さも申し分ないだけに、得点やアシストなど明確な結果を求めたい。

■柴崎 岳(ヘタフェ)=★★★

 配球役としての働き、コンビを組んだ山口との攻守両面におけるバランスの取り方やポジショニングなどは無難に行っていた印象だ。ただキャプテンマークを巻いて臨んだ試合である以上、さらに高いものを要求したい。特に前半、惜しいシーンを作りながらチームが得点を奪えないなかで、後方から攻撃に迫力を生むのが司令塔である柴崎の役割だろう。バランスを取りながらも自らがペナルティーエリア内に入っていく回数を増やしたり、ゴール前で得た直接FKのチャンスで自分が直接決めるんだというパッションを出したり……。もちろん、冷静さが柴崎らしさではあるが、仲間を鼓舞したり泥臭くボールに食らいつくプレーが加われば、チーム全体をワンランク上に押し上げるはずだ。

■山口 蛍(神戸)=★★★

 W杯以来の代表戦で、柴崎とコンビを組むなかで主に守備面での役割が期待された。相手のカウンターの起点になるようなスペースを不用意に与えることもなく、森保体制での初めての試合でも破綻をきたすことなくプレーできたところに、経験値の高さを感じた。ただ守備に意識を向けすぎたのか、積極的な配球など攻撃面での関与には少し物足りなさがある。ミドルシュートという武器もあるだけに、機を見た攻め上がりにも期待したいところだ。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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