完全アウェーで問われる真価 “新時代の旗手”武藤に託された使命

イランとの因縁を知らない23歳

「ジョホールバルの歓喜」を知らない世代が、中東の難敵に立ち向かう。

日本代表FW武藤嘉紀(マインツ)は、13日にテヘランのアザディスタジアムで行われる親善試合イラン戦に向けた11日の練習後、日本サッカー界とイランの因縁について報道陣から質問された。だが、あまりピンとこない表情だった。

「あ、そうか。あんまりないですね。イランの印象だったりは。今のイランというのが頭に入っている。(過去の)因縁だったりはないです。FIFAランクも日本より上ですし、そこはしっかり日本が強いというところを見せたい。ジョホールバル? 知らないです。あれ決めたのは知ってますよ。ジョホールバル? あ、場所の名前ね。あの試合のイメージはあります」

探りながら言葉をつないだ武藤。1992年生まれのプラチナ世代である23歳の男には、「ジョホールバルの歓喜」という日本サッカー界の歴史的な1日を知らなかった。

1997年11月16日、マレーシアのジョホールバルで日本代表は、翌年のフランス・ワールドカップ出場権を懸けたアジア第三代表決定戦でイランと激突。延長戦にもつれ込む死闘の末、延長後半13分に中田英寿の放ったミドルシュートのこぼれ球を、岡野雅行がスライディングで押し込み決勝点。日本代表は初の本大会出場を果たすことができた。

 

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