南野拓実、敵将も“想定外”のジョーカー起用で貫いた闘争心 「1対1で絶対に負けない」

ザルツブルクFW南野【写真:Getty Images】
ザルツブルクFW南野【写真:Getty Images】

EL32強クラブ・ブルージュ戦に途中出場、1アシストで4-0勝利に貢献

 現地時間21日に行われたUEFAヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメント1回戦の試合後、クラブ・ブルージュ(ベルギー)を率いるイバン・レコ監督は、ザルツブルク(オーストリア)のスタメンに見知らぬ名前があることに「驚いた」と心境を明かした。FWフレデリク・グルブランドセンが筋肉系の損傷で欠場したこの試合で、ザルツブルクのマルコ・ローゼ監督はエースFWムナス・ダブールのパートナーにFWパトソン・ダカをスタメン起用したのだ。

「ダカの起用は驚きだった。彼のスピードに振り回された。正直、ミナミノが出てくると思っていた」と、レコ監督が語ったのも無理はない。ダカはこれまで今季ELで、2試合4分間しかプレーしていない。これまでのローゼの起用法からいけば、最も出場している日本代表FW南野拓実が、まずそのままスタメンに入ってくると思うだろう。

 相手の読みを見事に外したローゼ監督は、試合後に「ブルージュの試合を分析した。ファーストレグの試合もそうだし、その前の試合も、だ。守備ではかなり人についてくるやり方を取っている。その分、最終ライン脇と後ろにスペースができるところを突こうと思った。スピードのある選手を走らせる。最初の得点もそうだった。彼のスピードが武器になると思っていた」とゲームプランについて振り返っていた。

 その言葉どおり、ホームのザルツブルクは「前からプレスをかけようと思っていた」(レコ監督)相手の裏をどんどんついていった。3バックを敷くブルージュのサイドのスペースがガラッと空いてしまうと、そこにダカが何度も何度も飛び出していく。前半を3-0で折り返すことができたのは完全に作戦どおりだった。

 そして、この試合でもう一つ大切な点があった。それが後半の戦い方だった。3-0でリードしているとはいえ、1失点したら試合の流れは大きく変わってしまう。3-2となったら、アウェーゴールルールで勝ち残るのは向こうだ(第1戦はザルツブルクが敵地で1-2敗戦)。そして、そうなってしまうことの危険性をザルツブルクはよく知っている。

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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