日本が支配率「23.7%」でサウジに競り勝った要因は? “想定内”の劣勢で光った3大ポイント

ポイント3:「逃げきるための意思統一」

 立ち上がりからボールを保持され、そのなかでセットプレーから早い時間帯に先制するという試合展開だったが、カウンターから追加点を取れれば終盤はもっと楽になっていたことは確かだ。しかし、武藤や酒井宏樹など足がつる選手も出ていたなかで、最後まで集中を切らすことなく試合を締めたことは、今後の戦いに向けても糧になるだろう。

 試合の流れがほとんど変わらない状況で森保一監督もなかなか交代カードを切らずに進み、ようやく1枚目の伊東純也を投入したのは後半31分だった。直後の同32分に、サウジアラビアが180センチのFWモハンメド・アル・サイアリを投入して2トップにしてきたが、同じメンバーのままサイドバックのどちらかがインサイドに絞り、サイドハーフの選手がサイドバック的なポジションを取る形で対応していた。

 終盤には塩谷と北川航也を入れて、相手の最後のパワープレー対策として選手交代。勝負のための戦いをチームで90分やりきったことは、緊迫した公式大会においては評価に値する。

[ftp_del]
>>【PR】元浦和の鈴木啓太氏が2018年Jリーグを総括 DAZNで広がる「観る側の面白さ」
[/ftp_del]

河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング