世界最高峰の“二大戦術”が激突 プレミア天王山でマンCを奮い立たせたペップの執念

リバプールのクロップ監督【写真:Getty Images】
リバプールのクロップ監督【写真:Getty Images】

「負けたくない」という重圧がかかった首位リバプール

 一方でクロップ・リバプールの3勝は、凄まじい猛攻でシティを力で一蹴した印象が強い。ただしその3勝の精神的な構図は、「“王者”シティvs“挑戦者”リバプール」というものだった。だから当然、心理的にはシティに重圧がかかった。

 しかし今回の対戦では無敗でリーグ首位を快走するリバプールに、シティが挑む構図になった。こうなると一転して1989-90シーズンを最後に、イングランドのトップリーグ優勝から29年も遠ざかっているリバプールに「負けたくない」という精神的な重圧がかかる。

 試合前の時点での最大の関心事は、リバプールが勝ち点「7」上回ることがどのような心理状態を生み出すのか、ということだった。試合展開によっては引き分けというオプションも考え、クリーンシートを意識するのか。

 試合開始直前のエティハド・スタジアムは凄まじい雰囲気だった。現地時間20時、マンチェスターの気温は1度。しかし試合前にシティのエンブレムが大円旗となってピッチの真ん中に広げられたスタジアムには、そんな寒さを感じさせない熱気と緊迫感が漂っていた。

 負ければ勝ち点差が「10」に広がり、リーグ連覇が絶望的になる。まるでCLの準決勝で、アウェーでの第1戦に敗れたチームのような雰囲気だった。熱狂的なシティのフットボールファンが試合前から声を枯らす。リバプールのサポーターがアウェー席で大声で歌う『You’ll Never Walk Alone』が完全にかき消された。

そんな壮絶な空気の中でのキックオフから約2時間後、今季最大の一戦は2-1でホームのシティが制した。

「大きな重圧だった。それにものすごく緊迫した試合だった。シティと比べ、フィニッシュの瞬間に運がなかった」

 試合後の記者会見場に先に現れたのはクロップだった。開口一番の言葉は重かったが、興奮冷めやらずという様子だった。早口で饒舌であり、その後も次々と言葉が溢れ出た。

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森 昌利

1962年生まれ、福岡県出身。84年からフリーランスのライターとして活動し93年に渡英。当地で英国人女性と結婚後、定住した。ロンドン市内の出版社勤務を経て、98年から再びフリーランスに。01年、FW西澤明訓のボルトン加入をきっかけに報知新聞の英国通信員となり、プレミアリーグの取材を本格的に開始。英国人の視点を意識しながら、“サッカーの母国”イングランドの現状や魅力を日本に伝えている。

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