“名門”浦和南OBの田嶋会長と水沼氏、大敗の母校にエール 「かわいそうだったが…」

日本サッカー協会の田嶋幸三会長【写真:Getty Images】
日本サッカー協会の田嶋幸三会長【写真:Getty Images】

伝統や歴史を背負う後輩を労う 「これを良いチャンスに…」「今後に期待したい」

 17年ぶりに全国高校サッカー選手権出場を果たした名門・浦和南が、東福岡と激突した12月31日の1回戦の試合会場であるNACK5スタジアム大宮には、1963年の学校創設時からサッカー部を指揮した名将の松本暁司元監督をはじめ、同監督の教え子である著名な卒業生が多数駆けつけた。

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 日本サッカー協会の田嶋幸三会長は、最後の関西開催となった第54回大会(75年度)で主将を務め、静岡工(静岡)との決勝では後半10分と28分に2得点し、逆転で2度目の優勝に貢献した名選手だ。

 母校が0-4で完敗した試合を見届けると、「ボールを止める、蹴るというクオリティーの差が出た。浦和南はかわいそうだった。選手は初めての全国選手権出場なのに、伝統や歴史を背負ってやらないといけないのだから」と少しだけ後輩に同情すると、「負けたけれど、これを良いチャンスにしてまた頑張ってくれると思う」と捲土重来に期待した。

 その田嶋会長と入れ替わって同校に入学してきたのが、日本代表と横浜マリノス(当時)で活躍した水沼貴史氏だ。首都圏開催となった第55回大会(76年度)に1年生ながらレギュラーとして全試合に出場。高校サッカー史に残る静岡学園(静岡)との決勝を5-4で制した。

 現チームを率いる野崎正治監督の1学年下で、2度にわたって全国高校サッカー選手権をともに戦った仲でもある。「(3失点した)前半にもう少し粘れれば面白くなったと思う。(高円宮杯U-18)プレミアリーグで揉まれている東福岡は、高いレベルでの経験が多いからその差はあった」と、浦和南がチーム力でいくらか劣ったとした。

 しかしその一方で、「野崎さんはやっぱり凄い指導者ですよ。母校に戻ってきて6年。人工芝のピッチを造ってもらい、しっかりミッションを果たしたのだからね。今後に期待したい」とエールを送っていた。

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(河野 正 / Tadashi Kawano)



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河野 正

1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。

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