「牽引車の轍~クラブリーダーのバイオグラフィー~」vol.1 西川圭史(ツエーゲン金沢・代表取締役GM) 「街づくり」と「人づくり」のために

 クラブは今、どこに向かい、何を目指しているのか。
 先導者たる社長やGMを知れば、おのずと未来は見えてくる。
 リーダー自身の“来し方行く末”を聞く連載の記念すべき第1回は、旋風を起こすJ2の新参クラブ、ツエーゲン金沢の若きGMの登場だ。

 

根幹にある精神

「ツエーゲン金沢が専任のGMを探し求めている――」
 そんな話が耳に届いたのは、私が 独立して興した人材育成の会社で働いていた2011年でした。そのときのビジネスパートナーが元電通で新聞社を担当しており、クラブスポンサーである北国新聞のサッカー担当の方とも親しくしていたんです。当時Jリーグを目指していたクラブが専任のGMを探していて、そういうルートで私に声が掛かりました。  
 独立する前は、政府系の金融機関である日本政策投資銀行(政投銀)(地域の街づくりを、制度から整えて、資金面で支える銀行)に大卒で入行し、7年間働きました。高校3年時の冬に地元神戸で阪神淡路大震災を経験しましたが、神戸の街が少しずつ元どおりになり、元どおり以上に整備され、どんどん元気になっていく姿を目の当たりにしました。都市の再開発や地域の活性化を仕事にしたいと思うようになったことが、政投銀に入った理由でした。

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