“ガラパゴス戦術”でなかった「3-4-2-1」 PSG、神戸、名古屋が同時採用で流行の予感?

(左から)FWジョー、FWネイマール、MFイニエスタ【写真:Getty Images】
(左から)FWジョー、FWネイマール、MFイニエスタ【写真:Getty Images】

CLナポリ戦でPSGが採用、“ミシャ方式”とは異なるスタイル

 スマートフォンが出現しても、しばらくは従来の携帯電話は使われていた。日本製の携帯電話は高度に多機能だったのだが、やがて「ガラパゴス携帯」、いわゆる“ガラケー”と呼ばれるようになる。

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 ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(現・北海道コンサドーレ札幌)がサンフレッチェ広島で可変式の3-4-2-1を始めた時は、このシステムを使っているチームは世界でもほとんどなかった。やがてこれがスタンダードになるのか、それともJリーグ限定の“ガラパゴス戦術”になるのか、当時は判然としなかったものだ。

 最近までは、やはりあれは日本独自のガラパゴス的進化だったのではないかと思っていた。ビルドアップの時に形を変えるのはヨーロッパでは当たり前になっているので、その点ではミシャ方式は先をいっていたのかもしれない。だが、ミシャ方式が世界のスタンダードになることはなかった。

 ところが、もしかしたらようやくヨーロッパがミシャ方式を採用するかもしれない流れになっている。

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ第4節、パリ・サンジェルマン(PSG)はナポリを相手に3-4-2-1をぶつけた。ミシャ式の可変型というより、J2でよく見る形に近い。

 第3節のホームゲームでナポリに試合を支配されて2-2と辛うじて引き分けたせいか、今回のアウェーでは少し守備を重視したのだろう。とはいえ、守備的な試合をしたわけではなく、攻守にわたって5レーンを埋めてしまえという狙いのようだ。

 ミシャ方式の可変型とは違って、各ポジションが大きく変化することはない。ネイマールとアンヘル・ディ・マリアはそれぞれハーフスペースにいて、基本的に同じレーンを上下動。二人のボランチもそのまま、3バックも左右には動くが形のうえで変化はない。ただ、両サイドのフアン・ベルナト、トーマス・ムニエの上下動の距離が非常に長い。攻守に5レーンを埋め続けるには、この両サイドの運動量がカギだった。

 CLが行われたのと同じ日(11月6日)、未消化だったJ1第28節が行われている。セレッソ大阪と名古屋グランパスの試合では、名古屋がPSGと同じ機能の3-4-2-1を採用していた。3日前のヴィッセル神戸戦の後半もこの形である。

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西部謙司

1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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