見えてきた課題 なでしこ猶本が成長するために身につけるべき能力とは

求められるリスクマネジメント

 一方で、悔やまれるのが守備面だ。前後半ともに、中盤でのボールロストからカウンターを受ける場面が多くなった。「暑さ、湿度のある中での 戦いはしんどかったが、それでも私はボランチなので、守備をしっかりしなくてはいけない」と、自身の課題を挙げている。後半18分にボランチのパートナーが川村優理(仙台)に代わって以降は、前線に積極的に顔を出す川村の横で黒子に徹した。
 それだけに、リスクマネジメントと呼ばれる攻撃のサポートと守備に切り替わったときの安定性を両立させるポジションニングは、今後も求められていくだろう。それは、澤穂希(INAC)はもちろん、阪口夢穂(日テレ)や、宇津木瑠美(モンペリエ)といった海外組も含めたなでしこジャパンの主力ボランチにポジション争いを挑む上では、欠かせない要素になる。
 「今、できるプレーはした」と前を向いた猶本。今大会では宮間あや(岡山湯郷)が背 負う背番号「8」をつけている。それは、U-17世代から中心選手として活躍を続け、今後の日本女子サッカーを担う存在に成長してほしいという期待の表れでもあるだろう。「試合に負けてしまい、悔しい気持ちです」と厳しい表情と口調で語ったように、負けず嫌いで勝負にこだわるところが猶本の良さでもある。第3戦の中国戦では、より結果にこだわるプレーで再びアピールしてほしい。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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