成長と結果を求めた佐々木監督 「最後は内容よりも勝利を」

露呈した経験の浅さ

 なでしこジャパンは、4日の韓国戦に敗れ、第2戦を終えた時点で東アジアカップ(中国・武漢)優勝の可能性がなくなった。佐々木則夫監督は「勝たせてやれなかったのは僕の責任。内容的には悪くなかったと思うのだが」と、選手をかばった。
 「まだ若く、経験が浅い選手全員を見ながらタイトルを取るのがテーマだった」という今大会の中で、初戦の北朝鮮戦からスターティングメンバー9人を変更。途中交代で出場した選手を含め、GKの武仲麗依(仙台)を除く全選手がピッチには立った。選手を観察するという目標はクリアしたが、タイトル獲得は果たせなかった。
 韓国戦 で前向きだった点を問われた佐々木監督は「相手のビルドアップがうまい中で、4-4-2で守備ができた。韓国の選手は体が重かった中で、あまり自分たちのサッカーができなかったかもしれないが、それを差し引いても良くやったのではないか」と、流れの中での守備には一定の評価を与えた。先日の女子ワールドカップカナダ大会のメンバー10人が先発した韓国に対し、日本はDF田中明日菜ただ1人。経験値という意味では“格上”とも言える相手との力関係の中で、我慢強く最後のところで守った選手たちを評価した。
 一方で、北朝鮮との初戦に続き勝負弱さを露呈したのも事実だ。同点で迎えた後半30分からの残り15分、いわゆる勝負どころの時間帯で自分たちが得点できず、相手の速攻を受けて失点する形 が続いている。この日も、韓国の得点こそフリーキックだが、カウンターを受けた場面で日本の守備が数的優位にありながら、DF京川舞(INAC)が不用意なファウルで相手にセットプレーを与えてしまった。まさに、経験不足がピッチ上に結果として表れてしまったのが現実だ。

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