佐々木監督命名 新戦力満載の東アジアカップは「チャレンジなでしこ」

リオ五輪には最低6人のメンバー入りを期待

 なでしこジャパンの佐々木則夫監督は、8月1日から中国・武漢で行われる「EAFF女子東アジアカップ2015」のメンバー23人の発表会見に出席した。女子ワールドカップカナダ大会準優勝メンバーからは主将の宮間あや(岡山湯郷)、澤穂希(INAC)ら主力と海外組は外れ、6選手のみの選出となった。今回4選手が初招集となったメンバーについて、佐々木監督は「チャレンジなでしこ」と命名。来年からスタートするリオデジャネイロ・オリンピック予選と本大会に向けた新戦力にメンバー生き残りを指令した。
 都内で行われた記者会見に出席した佐々木監督は 、報道陣からフレッシュな顔ぶれとなった今回の23人に対するニックネームを求められた。
 指揮官は「そこまではまだあの……、◯◯なでしこでいいんじゃないですか」と苦笑交じりに答えたが、その後、表情を引き締め直した。
「U-19にもいい選手がいるのは間違いない。サッカーを通じてなでしこになりたくない選手は1人もいない。そういう意味で、チャレンジなでしこ。そういう意味合いを持って頑張ってもらいたい」
 佐々木監督は「チャレンジなでしこ」と命名。W杯カナダ大会で新たにスタメンに食い込んだのは、大会MVP候補に選出されたDF有吉佐織(日テレ)のみ。不動のメンバーが長年培った緻密な連動性を生かし、宮間らの卓越した技術がなでしこのサッカーに彩りを与えた。だが 、世代交代が進んでいないという現実もあった。

「最低でも3分の1に関わってもらいたい」

 圧倒的な経験値と実力を誇る現在の主力陣に風穴をあけることができるのか。大きな壁に挑む23人に期待を込めて指揮官は「チャレンジなでしこ」と呼び名をつけた。2011年のU-20ワールドカップ日本大会で3位になったメンバーは「ヤングなでしこ」、昨年のU-17ワールドカップで優勝時には「リトルなでしこ」と呼ばれてきた。
 なでしこは11年ドイツワールドカップ、12年のロンドン五輪に続き、W杯カナダ大会でも、アメリカ代表と決勝で激突して2-5で敗れている。
 リベンジの舞台は、来年8月のリオ五輪。アジア予選で出場権を手にできるのはわずか2カ国と狭き門となっている。W杯決勝トーナメントに進出した中国、オーストラリアに加え、韓 国、北朝鮮も侮れない相手だ。
「チャレンジなでしこ」からリオ五輪メンバーに何人名を連ねて欲しいか、と質問された佐々木監督はこう言った。
「最低でも3分の1に関わってもらいたいと思う。多くの若い層の選手が入ればベスト。そういうことが起こるということは、いい結果につながる。そういう意味で期待は大。僕自身も東アジアでしっかりと積極的に彼女たちにアプローチしていきたい」
 五輪本大会メンバーは18人。ハラハラさせる試合展開の連続からハリウッドの名映画監督「スピルバーグ」を自称する佐々木監督は東アジアカップを制し、「チャレンジなでしこ」から来年の五輪メンバー最低6人が生き残ることを期待した。崖っぷち感をネーミングに込めた23人の躍動を期待してい た。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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