27歳の幕引き 女子W杯得点王シャシッチが現役引退

なでしこ安藤の同僚は準決勝米国戦でPK外した悲劇のヒロイン

 女子ワールドカップカナダ大会で6得点を決め、ゴールデンブーツ賞(得点王)を獲得したドイツ代表MFセリア・シャシッチ(フランクフルト)が現役から引退すると自身のフェイスブックを通じて発表した。
 27歳で現役から退くことを決めたシャシッチは「フットボールは私の情熱。フットボールは常に私の人生と共にあり、私の一部だった。ブンデスリーガで11年、ドイツ代表の一員として10年半プレーした経験は忘れることのできない経験だった」と、胸の内を明かした。
 最後に残した後悔は、女子W杯準決勝アメリカ戦の一幕。後半18分に先制のチャンスとなるPKのキッカーを務めたシャシッチだったが、これをゴール左を外した。試合後には「隅を狙い過ぎた」と反省しきり。先制の絶好機を逃したFIFAランク1位ドイツはアメリカの逆襲を受け、0-2で敗北。決勝進出を逃していた。
 W杯カナダ大会の準決勝もう一試合、なでしこジャパン対イングランド戦では、後半アディショナルタイムにオウンゴールを献上したイングランドDFローラ・バセットが「悲劇のヒロイン」として注目を浴びた。2大会ぶりのW杯制覇を狙っていたドイツ代表の悲劇のヒロインは、間違いなくこのシャシッチということなるだろう。
 ドイツ代表を率いるシルビア・ネイド監督もドイツ代表の公式サイトで、シャシッチにエールを送った。
 「セリアの決定は残念だけど、彼女はフットボールが人生の全てではないと理解している。人生では時として、新しいことに集中しなければならないことがある。彼女は常に模範的な存在だった。彼女のおかげで重要な試合に何度も勝利した。彼女の新たな人生の一歩に、心の底から幸運を祈るわ」
 ドイツ代表で111試合に出場した世界屈指のストライカーは今年5月にはフランクフルトで欧州チャンピオンズリーグを制覇。同僚のなでしこジャパンFW安藤梢と喜びを分かち合った。惜しまれながら早すぎる幕引きとなったシャシッチだが、今後は学業、そして家族との時間をゆっくり過ごすという引退後のプランも明かしている。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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