青赤魂を胸に 首都エースのMUTO、「青」と「赤」への新たな挑戦

涙のセレモニー

 入場の際、「14 MUTO」の文字が、味の素スタジアムに大きく浮かび上がった。プロデビューを果たしてから1年間と半年。そのわずかな期間でこれほどまでに愛された選手がいただろうか。
 武藤嘉紀のラストゲームは、J1ファーストステージ最終節の清水エスパルス戦となった。得点こそ奪えなかったものの、チームは3-2で勝利。ドイツへの旅立つ直前、2点目の決勝アシストを挙げて有終の美を飾った。
 試合後、背番号「14」は、用意されたセレモニーで、ピッチの中央に立った。
「泣かないと決めていたけれど…」
 スピーチの冒頭。そう口にした。その頬には、あふ れんばかりの涙がつたっていた。プロのキャリアは1年半だが、初めて青赤のユニホームに袖を通して13年もの月日が経っていた
「試合前の準備から、味スタに入ってくる時も、これで全部最後なんだなーと、1つ1つに感情が入った。やはりどこか普段より緊張していたのかもしれない。後半開始に足が吊ってしまうなど、今までにないことが続いたので」
 今年23歳を迎えた青年は、試合後の取材で、その日を振り返った。盛大な花道に、やはり緊張の色を隠せなかったようだ。

 

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