「大誤算」「エース不在」からのW杯23人決定 城彰二が期待する“2段階選考”後の反発力

「2段階方式」の選考は、城氏も出場した1998年フランス大会以来の実施となった【写真:Getty Images】
「2段階方式」の選考は、城氏も出場した1998年フランス大会以来の実施となった【写真:Getty Images】

98年フランスW杯で体験、“2段階選考”後に「チームはグッとまとまる」

 最初に大枠のメンバーを発表し、そこから本大会登録メンバーを選ぶという「2段階方式」の選考は、1998年フランス大会以来であり、私も当時経験した身だが、選考が終わった瞬間に一つのチームとしてグッとまとまるものだ。やはり選考されている間は、選手もW杯メンバーに入りたいため、どうしても自分をアピールしようという思いが強くなって、チームより個人優先のプレーになってしまう。

 ただ、これで選考は終わった。一人ひとりがチームに徹することができるようになり、ここから周囲の選手との関係性や連携を高めていける。6月19日のコロンビアとのW杯初戦まで3週間を切っているが、短い期間でも集中してチーム力を高めていくことは十分に可能だ。

 そういった意味で西野監督は、私も1996年アトランタ五輪の時に実際に感じたことだが、選手とコミュニケーションをすごく取るし、まとめるのが非常に上手いので、普通の監督よりも急ピッチで自身の考えをチームに落とし込めるはず。対戦相手を想定してどのように戦うか。ガーナ戦でも試したように、戦況に応じてシステムを柔軟に変えて対処する西野流のチーム作りは、ここから本格化する。

 W杯本大会前に戦うスイス、パラグアイとのテストマッチ2試合に向けて、喫緊の課題が守備面の修正であるのは間違いないが、ガーナ戦の2失点は選手のポジショニングや連携面での問題によって引き起こされたものだった。チームとして修正できないミスではなく、ある意味、そこは救いと言えるのかもしれない。

(城 彰二 / Shoji jo)



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