札幌で変化の兆しを見せる「ペトロヴィッチ流」 浦和を離れドイツで得た新たな刺激
J1第9節を終え4位と躍進、「パスサッカー」と「堅守速攻」が見事に融合
ミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督率いるJ1の北海道コンサドーレ札幌が、第9節終了時点でリーグ4位と躍進を見せている。
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昨季は16年ぶりとなるJ1残留を、11位という昇格クラブとしては上々の成績で果たした。過去のJリーグを振り返ると、こうした成果を得た場合、クラブはその体制を維持して翌シーズンに挑むのが一般的だった。しかし札幌は敢えて、そこで次なる手を打った。「さらに上を目指すにはミシャ招聘は絶対に必要な策」と、野々村芳和社長は攻撃的なパスサッカーを志向するペトロヴィッチ監督を招き入れたのである。
この動きに対し、リスクの大きいマネジメントだと見る向きも少なからずあっただろう。だが、この決断は現時点では当たっている。序盤戦こそ公式戦5試合未勝利と結果がついてこなかったが、第4節のV・ファーレン長崎戦に2-1で勝利すると、そこから一気に勝ち点を積み上げ、上位進出を果たした。
戦術スタイルとしてはペトロヴィッチ監督の志向する攻撃的なパスサッカーと、四方田修平前監督(現アシスタントコーチ)が構築した堅守速攻とが見事にマッチしたもの。“ミシャスタイル”がいまだ構築途上ということも背景にはあるだろうが、パスをつなぎながらも相手のプレスが厳しい時にはシンプルに蹴り、運動量を生かしたハードワークで相手の隙を突くやり方だ。そしてこれが合理的に機能し、上位進出にもつながっていると感じる。