ハリルの“勝利のシナリオ”に適した23人は? 欧州遠征メンバーに見る「W杯への狭き門」
マリ&ウクライナ戦に挑む26人を選出 キーポジションは「攻撃的MF」
ベルギー遠征(23日マリ戦、27日ウクライナ戦)の日本代表メンバー26人が発表された。ハリルホジッチ監督の説明に従えば、一つのポジションに2人ないし3人を選出している。例えば、右サイドバックは酒井宏樹(マルセイユ)と遠藤航(浦和レッズ)、右ウイングには久保裕也(ヘント)と本田圭佑(パチューカ)だ。
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守備的MFには長谷部誠(フランクフルト)、山口蛍(セレッソ大阪)、三竿健斗(鹿島アントラーズ)の3人を選んでいるが、長谷部を「別格」としているので実質は2人の枠を争うと考えていいかもしれない。予選で活躍した井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)が入っていないのは意外だが、現状を考えると選出は難しいと判断したようだ。
他に3人選んでいるのはGK、左サイドバック、攻撃的MF、左ウイング、トップである。
左サイドバックの1人は、ユーティリティー枠で右サイドもできる選手を用意したいのではないか。今回は宇賀神友弥(浦和)だが、呼ばれなかった酒井高徳(ハンブルガーSV)との争いになるのかもしれない。
注目は攻撃的MFだ。堅守速攻型の戦い方ではあるが、相手に引かれた場合や得点を取りにいかなければならない状況は想定しておかなければならない。そうなると、中盤から相手ゴールにかけてクリエイティブなプレーができる選手がほしい。大島僚太(川崎フロンターレ)は招集されるたびに負傷する不運続きだったが、今回は本領を発揮したいところ。柴崎岳(ヘタフェ)、森岡亮太(アンデルレヒト)も違いを作れる能力を示しておきたい。ハリルホジッチ監督はアルジェリアを率いていた時、サフィル・タイデル(ボローニャ)とヤシン・ブライミ(ポルト)を使い分けていた。得点のためのキーポジションだろう。
西部謙司
にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。