「力不足、答えは簡単」 不変の“小嶺イズム”、選手権8強敗退も名伯楽の尽きぬ向上心

「上を目指すことしか考えていない」

 72歳の最年長指揮官は、島原商と国見(ともに長崎)を合わせて33度、現チームで5度と全国選手権を計38回も経験。島原商でも国見でも優勝し、国見では帝京(東京)と並ぶ最多の6度制覇した高校サッカー界を代表する名指導者である。

 同校では初の準々決勝進出にも、「ベスト8くらいで褒めたらどうしようもない。でも2年半(監督として)指導して、なんとかある程度は戦えるチームになったかな」と、少しだけ選手を労った。

 チームメイトを信じ、勝利を祈っていた安藤は「負けてしまって残念ですが、みんな気持ちの入ったプレーをしていた。この仲間とできたことが幸せです」と気丈に話した。

「ここでも全国優勝することが目標になりますか?」と聞かれた小嶺監督は、「分かりません。今の仕事に責任を持ち、上を目指すことしか考えていない。もうこの年齢だし、生徒には杖をプレゼントしてくれと言っているくらいですからね」と、最後はジョークで笑わせた。

【了】

河野 正●文 text by Tadashi Kawano

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド