24歳日本人は「違いを作り出せる」 欧州で鮮烈デビュー弾…代表OB絶賛「すごく貴重な存在」

シント=トロイデンの荒木遼太郎がデビュー戦でゴール【写真:Belga Image/アフロ】
シント=トロイデンの荒木遼太郎がデビュー戦でゴール【写真:Belga Image/アフロ】

【専門家の目|太田宏介】シント=トロイデンMF荒木遼太郎がデビュー戦でゴール

 ベルギー1部シント=トロイデンは、現地時間8月30日に行われた第4節でロイヤル・アントワープとアウェーで対戦し、4-1で勝利した。この試合でMF荒木遼太郎は先発出場してベルギーリーグデビューを果たすと先制ゴールを挙げた。チームを勝利へ導いた24歳のアタッカーについて、元日本代表の太田宏介氏が勝負強さと新天地での将来性について語った。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 最終ラインの裏に出たボールを、アントワープのGK野澤大志ブランドンがヘディングでクリアする。このこぼれ球を回収したシント=トロイデンは、FWアルビノール・ムヤがシュート。相手DFに防がれたが、高く上がったボールの落下地点に荒木が入り、右足のボレーシュートで合わせ叩き込んだ。

「なかなか実際の試合では発生しないようなシチュエーション。浮き玉の処理で、しかもディフェンスが2枚詰めてきている中、しっかりとシュートをふかさずに抑えて決めきった。落ち着きが素晴らしかった」と、太田氏は荒木のシュート技術の高さを称賛した。

 太田氏が特に強調したのが、荒木がキャリアを通じて発揮してきた要所での勝負強さで、「初出場・初先発で得点を決めてチームを勝たせる。彼にはそういう勝負運がある。世代別代表の五輪予選でも、途中出場からゲームの流れをガラリと変えて出場権を勝ち取るなど、ここ一番での勝負強さはさすが。鹿島イズムなのか、チームが浮上するきっかけとなる大事な一戦で必ず結果を出してくれる」と、その勝負強さを高く評価する。

 10代でJリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞するなど華々しいデビューを飾りながらも、その後は怪我や不調で苦しい時期も経験した。FC東京への期限付き移籍などで試行錯誤を重ね、泥臭く成長を続けて掴み取った24歳での海外挑戦。「時間はかかったかもしれませんが、コツコツと積み上げてきた成果。鹿島や東京のファンにとっても非常に誇らしい活躍のはず」と太田氏は語る。

「シント=トロイデンの中で、彼のように相手のライン間でボールを受けて、ゴール前で違いを作り出せる選手は決して多くない。すごく貴重な存在になる」と、戦術的な観点からも、荒木の存在はチームにとって“唯一無二”といえる戦力だと見ている。

 昨季まで同クラブで輝きを放ったMF伊藤涼太郎の名前を引き合いに出しつつ、「伊藤選手よりも、荒木選手はより動き直して空間を使うムービング系のプレイヤー。だからこそ、チームのサッカーにすごくフィットするはず」と今後の爆発に太鼓判を押した。

 苦難を乗り越え、ついに欧州のピッチで第一歩を踏み出した荒木遼太郎。一瞬で流れを変える勝負強さを武器とプレースタイルで、ベルギーの地に新たな旋風を巻き起こしてくれそうだ。

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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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