値札見ずコート購入「マジか」…100万円も「買います」 Jリーガー3人“プレミア現地観戦”

町田の昌子源がプレミアを現地観戦【写真:増田美咲】
町田の昌子源がプレミアを現地観戦【写真:増田美咲】

町田の昌子源「シーズンが合っちゃうのでもうプレミアリーグは見られない」

 FC町田ゼルビアのDF昌子源は昨季、キャプテンとしてクラブ初タイトルとなる天皇杯優勝へと導いた。個人としてもJ1リーグ全38試合にフルタイムで出場し、カップ戦を合わせると公式戦52試合中50試合に出場した鉄人ぶり。束の間のオフシーズンとなったが、同僚との欧州旅行の様子をインタビューで聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全3回の最終回)

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 昨シーズンの最終戦が12月6日で、今年の始動日が1月7日。ちょうど1か月という例年にないほど短いオフとなった。百年構想リーグへ向けて英気を養うべく、選手たちは思い思い過ごしたようだが、昌子はDF岡村大八とMFバスケス・バイロンと欧州旅行。ロンドンとパリを巡って、サッカー観戦などを楽しんだ。

「彼らも同じような日程で行くと聞いていたので、向こうで合流しようぜ、みたいな感じです。冬の休みが僕ら昨年でラストだったので。シーズンが合っちゃうのでもうプレミアリーグは見られないのではないかなと、だから見に行こうかなと思って。8歳の息子がいるので、本場のサッカーを見せようかなと」

 当初はドイツ1部ブンデスリーガなども候補にはあったというが、「サポーターがもう熱狂的で発煙筒とか、場所によっては子どもは危ないらしくて。なので、本場といったらプレミアかって」と観戦する試合を決定。現地時間12月20日に行われ、リバプールがトッテナムを2-1で破った一戦を客席で楽しんだ。

「そのときに(遠藤)航に連絡しようと思ったんですよ。なんですけど、トッテナムのホームで、何人かに聞いたら、いくらリバプールの選手でもトッテナムのアウェーに席は用意できないみたいな。チケットはたぶんあるとなって、自分でお金払ってちょっといいところ座ろうかみたいな感じになりましたね」

 ここで戦力になったのが、期限付き移籍していた栃木シティから今オフに復帰したバイロンだ。チリ出身で小学生3年生のときに来日したという経歴を持ち、英語やスペイン語も堪能。シーズンよりも一足先に、活躍の機会が訪れた。

「バイロンがチケットを取ってくれました。あいつの英語はもうペラペラに近くて、文章も英語でいけるので。でも、高かったです。1ポンド200円ですよ。(物価は)単純に倍ですよね。100円のものが向こうは200円。50万円のものが100万円。買い物とかやっぱりできないですよ。サッカー選手でもそう思う」

 フランスでも買い物を楽しんだが、「やっぱりユーロが180円で、ほぼ倍なので。だから免税されてもトントンやなみたいな」とやはり物価は高かった模様。それでも、「持って帰るのめんどいから日本でいいんちゃう、と思いながらも爆買いしましたけど」と告白。「値段、書かないでくださいよ」と笑った。

 そのなかでも、特に記憶に残っているエピソードを教えてくれた昌子。イタリアの紳士ブランド「ロロ・ピアーナ」のコートで、「日本のロロ・ピアーナを探してもなかった」という一品に、フランスで奇跡的に出会ったのだという。

「ロロ・ピアーナに行ったら案の定なかったんですよ。くっそーと思って、もう一店舗に行ってもなくて。もういいわと思って。でも最後に、調べていなかった店舗が一個出てきて。行ったそこにあったんですよ、出会っちゃったんです。最高やん、買います買いますって。パっと見たら100万円くらいでした」

 値札も見ずに突き進んだが、「マジかと思って。でも買いますと言ってしまった手前、もうええわと思って100万円のコートを買いました」と苦笑い。そんなショッピングも楽しんだが、やはりプレミアリーグも印象に残ったようだ。

 サッカー選手という職業柄、やはり試合になると分析しながら見てしまいがち。しかし、この日は「一観客として観ていました」と違う目線で観戦。「プレミアってチャンスになればすぐに立つんですよ、全員。だから、俺らもその繰り返しで、何かうわーってなったら俺らもうわーって立って」と酔いしれた。

「8歳のうちの子と同じくらいの子が2つ前くらいにいて、レフェリーにファッ○ユー、ファッ○ユーってやっているのを見ると、日本ってやっぱり優しいなって。だって、日本で中指立てたら無期限入場禁止とかじゃないですか。あんなんその辺の人らみんなやってる。ファッ○ユー、ファッ○ユーって(笑)」

 自身も2019-20シーズンはフランス1部トゥールーズでプレーした経験を持つが、選手にも「絶対に聞こえているんですよ」と断言する。「誹謗中傷とかは良くないし、絶対にダメ」と言いながらも、「やっぱりすごかった」と笑う。

「自分はフランスに行っていたので、自分が何を言われているのかわからないのはけっこう楽でした。文句を言っているのは人間の顔を見ればわかるけど、そもそも言葉わからんし。フンッみたいな感じでいけるので。そこはけっこう楽でしたね」

 肝心の試合内容は、トッテナムが2人の退場者を出すまさかの展開。欧州サッカーを初観戦した岡村も「ふざけんなよ、と思いましたね」と苦笑いだったが、昌子は両チームがスロースタートだったところも、少し気になったようだ。

「不調同士の戦いで、めちゃくちゃ慎重な立ち上がりをしていたんです。10分くらい手探りで相手のことをよく見ながら。開始10分だったら俺らのほうが強いんちゃうかなと思いましたけど。僕ら開始10分の入りめっちゃいいチームなので。天皇杯も開始6分で決めていて、フルスロットルで行くチームなので」

 それでもやはり、プレミアリーグ。「やっぱりうまいし速い。速いのは人が速いのではなくて、ボールスピードを含めた展開ですよね。だから、観客は立ってしゃがんでみたいな」と引き込まれた。「スポーツというより、エンタテインメントですよね。日本の野球じゃないけど」とJリーグとの違いも感じた。

「大八は日本人なので俺と同じ感じ。バイロンはチリ人なので、周りのおじさんたちと同じことをやっていました。ホーム側で見ていたので、トッテナムの味方がファウルされるとバイロンもウオーみたいにやっているんですよ。マジで現地人やんみたいな。トッテナムの帽子も買っていたし、馴染んでました」

 そんな充実のオフはあっという間に過ぎ去り、2月6日には横浜F・マリノスとの開幕戦を迎える。昌子が警戒する選手として挙げたのは、「キー坊かな」とMF喜田拓也。同じキャプテンとして、「昨年は苦しかったと思うし、今年こそはと人一倍どころか何十倍と思っている」と分析。主将同士の意地のぶつかり合いに注目だ。

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