チーム低迷なら「4人のW杯は難しい」 元日本代表の胸中…垣間見えた“プライド”「口で言いたくない」

町田の昌子源「自分じゃないですよね、何か。もう一人の自分的な感覚」
FC町田ゼルビアのDF昌子源は昨季、キャプテンとしてクラブ初タイトルとなる天皇杯優勝へと導いた。個人としてもJ1リーグ全38試合にフルタイムで出場し、カップ戦を合わせると公式戦52試合中50試合に出場した鉄人ぶり。日本代表でワールドカップ(W杯)も経験した33歳に、インタビューで思いを聞いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全3回の2回目)
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2月6日に開幕を迎える百年構想リーグだが、町田にはその後の6月にはじまる北中米W杯のメンバー入りを狙う選手も多い。「チームとのギャップが生まれては選ばれないと思うんですよ。W杯に絶対に選ばれたいイコール、チームの成績も良くないと、個人も良く思われないじゃないですか」と昌子は言う。
森保ジャパンに絡んでいるのは、GK谷晃生、DF中山雄太、DF望月ヘンリー海輝、MF相馬勇紀の4選手。「昇降格がないことで、オッケーオッケー次に行こうと負けへの重みが減るとなれば、ギャップが生まれてくる。この4人がW杯に行くのは難しくなってきます」とキャプテンとして、人一倍の危機感を持つ。
「僕ら選手ももちろんですけど、チームがしっかりと戦って上を目指してやっていくから、あいつらもその中心となってチームを引っ張っていってくれると思います。それを続けてというか、この百年構想リーグで、僕らはそれをやっていかないといけないポイントかなとは思います」
自身も2018年のロシアW杯を経験しているからこそ、彼らをサポートしたい思いは強い。「あの舞台というのは経験したくてもできない人がほとんどなので。Jリーグは何百人といて、26人ですよ。2大会連続、3大会連続の人がいれば、新規で入る人が減っているわけで。やっぱり入ってほしいです」と語る。
「試合に出る出ないは出てきますが、26人に入るだけでめちゃくちゃ名誉というかすごいこと。僕が入りたてのときの代表の選手たちから、W杯に選ばれて初めて真の日本代表だよみたいなのを聞いたことがあります。A代表で活躍してW杯に出ていない選手もいますけど、みんなそこを目指してやっています」
昨今、怪我がちの選手などには、クラブが出場時間などを管理するのが常識になってきた。そんななかでも、「今頑張るとき、今無理するときがW杯なので」と昌子。「そういう舞台に行けることって、たぶんサッカー選手でも少ないし。そこはやっぱり行ってほしいですよね」と他の試合との違いを力説する。
「相馬に関しては2回目になりますけど、雄太も前回のW杯メンバーに選ばれてからアキレス腱を切っているので。雄太も選ばれてほしいですし、晃生もそうですし。ヘンリーも今年プロ3年目かな。1年目から代表に入っているので。そこのチャンスというのは、やっぱり僕らも作ってあげたいなと思っています」
ロシアW杯から8年の月日が経ったが、人生や価値観が「あれは変わりますよ」と断言する。「まあ自分じゃないですよね、何か。感覚ですけど、もう一人の自分的な感覚。もうハイなので。何かもういってます。完全にいっちゃってます。もうあまり覚えてないですもん、本当に」と当時の記憶をさかのぼる。
「試合と試合の間、何してたっけとか。どんな練習してたっけとか。どんな飯食ってどんな部屋だったっけとか、覚えていないですよ、ほんまに。どんなやったかなって感じです。試合のことはもちろん覚えているんですけど、試合に向かうウォーミングアップとか向かうまでの自分の準備とかは覚えていない」
ベルギーとの決勝トーナメント1回戦では、後半アディショナルタイムにカウンターから決勝点を許した「ロストフの14秒」も経験。自陣まで全力疾走で戻った昌子が、一番最後までスライディングで食らいついたが、わずかに届かなかった。そのシーンは今でも、試合のなかでフラッシュバックすると明かす。
「ベルギーのあの最後のカウンターとか。ああいうシーンで手を抜かずに全力で戻らないととか。あのシーンはもう1回、来ることはない。だけど、何か瞬間瞬間にやっぱり思い出しますよね、あのシーンだけじゃなくて、W杯で自分が経験したプレーが、何かあのときのあのシーンに似てるなとかはあります」
また、現在の森保ジャパンでも、昌子と同世代のMF伊東純也、MF遠藤航が主力を務める。「プラチナ世代」とも呼ばれるが、「元々、プラチナ世代と呼ばれた面々には僕も純也も航も入っていないんです」と、そのすごさを力説する。つまり、アンダー世代からのスターではなかった3人が成り上がったわけだ。
「それは単純にリスペクトですよね。海外にいて、代表でやって、航に関しては代表でキャプテンをやっているしね。そういうので、何かそういう刺激を受けますね。わざわざあいつらの試合を見て、うわーとはならないですけど。あいつらの存在というか、やっていることについてのリスペクトや刺激ですね」
一方、Jリーグで華麗な復活を遂げた今、自身の代表復帰についてはどう考えているのだろうか。
「現実的ではないな、というのは理解しているので。でも、選手として『僕はないので諦めています』とも言いたくはないですよね。でも限りなく可能性は低いし、森保ジャパンになって2021年から一回も呼ばれていないので。普通に考えたら、ほぼノーチャンス。だけど、それを理解して口で言いたくないというか。ちょっとした負けず嫌いというか、プライドというのはありますよね」
本音をのぞかせながらも、「だから、どちらかというと町田でメンバーに入りそうな人たちに入ってほしいくらい」と笑顔を見せた昌子。影からのサポートに徹するが、「俺は入ってたよ代表にとか、俺がいたときのW杯はとか、聞き方、受け手にとってはすごく嫌じゃないですか(笑)」と積極的には語らない。
「W杯を今から経験しようとしている人が0、終わるまでを10としたら、なのに俺が言って2くらいまで知れちゃったら、それはそれでオモんない。何が出るかわからないキャラクターとかのやつと一緒で、行くまでも楽しみでいてほしいとは思います。源くんそういえば出てたね、くらいに思ってほしいですね」
北中米W杯までの半年と同時並行で進む百年構想リーグ。町田は2月6日にアウェーで横浜F・マリノスと対戦する。「昨年は相当苦労して、名門たるプライドというか。終盤4連勝もあって、順位こそ良くないけど最後はいいイメージで終わっているので」と警戒する昌子。いきなりの注目カードになりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)





















