英移籍で衝撃「吹き飛ばされた」 突きつけられた世界との差…目指す「立っているだけで怖い」存在

エバートンに所属する石川璃音【写真:ロイター/アフロ】
エバートンに所属する石川璃音【写真:ロイター/アフロ】

相手が「重い」と感じたフィジカルの衝撃と文化の違い SBで見せた1対1の矜持

 イングランド・女子スーパーリーグ(WSL)のエバートンに所属する、DF石川璃音がオンライン取材に応じ、海外挑戦から約半年が経過した現在の心境を語った。激しいフィジカルコンタクトが日常となる舞台で、22歳の若きセンターバックは着実な進化を遂げている。

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 昨年7月に三菱重工浦和レッズレディースから移籍して約半年。エバートンでの生活にも慣れ始めた石川だが、ピッチ上で受ける衝撃は想像以上だった。「対峙したとき、体力のぶつけ合いで『重いな』と感じることがあります。日本では自分が勝てることが多かった場面でも、吹き飛ばされたり体勢を崩されたりすることがありました」といい、個人でフィジカル強化のトレーニングを重ねて世界基準のデュエルに対応するための試行錯誤を続けている。

 エバートンでは、本来のセンターバックだけでなくサイドバックとしても起用されている。特に強豪のマンチェスター・シティやチェルシー、アーセナルなどとの大一番で右サイドバックとしてピッチに立ち、強烈なアタッカーたちと渡り合った。

「サイドバックはセンターバックとは守り方が違いますが、1対1の守備は自分の長所だと思っていますし、一番楽しい場面。あのような高いレベルでの対戦を、試合の中で1対1を経験できるのは、本当に楽しいです」と嬉しそうに石川は語る。

 エバートンには、なでしこジャパンでも共に戦うMF籾木結花、DF北川ひかる、MF林穂之香が在籍している。YouTubeなどのSNSを使って4人で発信をしている。その様子からは、初めての海外生活をエンジョイしているように見える。言葉も文化も違う中で、頼れる同僚の存在は技術面・精神面の両方で不可欠なものとなっている。

「最初は英語を聞きすぎて頭が痛くなることもありましたが、3人がいることで本当に助けられています」と石川は感謝を口にする。特に戦術面では、籾木がミーティングの内容をより深く噛み砕いて石川に伝えるなど、細やかなサポートを受けている。

 また、左サイドバックの北川とはサイドバックとしての対応について意見を交わし、林とはピッチ上で「言葉はうまく伝えられなくても、プレーでついていく形ができている」と、日本人同士ならではの高度な連携に自信をのぞかせた。

プレミアリーグ観戦と“街が割れる”ダービーの熱狂

 先日は男子プレミアリーグの試合を現地観戦し、大きな刺激を受けた。「ちょうど田中碧選手がリーズ・ユナイテッドで戦っていた試合だったのですが、本当に楽しかった。個々の能力の高さはもちろん、展開も早く、一人の選手を観察しているだけでも勉強になります」と、最高峰のスピード感を自身の糧にしている。

 また、同じ街を本拠地とするリバプールとの“マージーサイド・ダービー”についても言及した。「リバプールに住んでいる人たちが本当に注目している一戦。どちらも絶対に負けられない戦いで、日本で経験した時よりもさらに熱いと感じました」と、街のアイデンティティを懸けた戦いの特別さを語った。

理想は「そこにいるだけで怖い」センターバック 決意を胸に3月のアジアカップへ

 理想の選手像について問われて「立っているだけで、いるだけで『怖いな』と思わせる選手です。あの人がいたら抜けない、ゴールを決められないと思われるような存在になりたい」と即答した。目標とする存在には、なでしこの前キャプテンである熊谷紗希の名を挙げ、「いるだけで安心感がある。センターバックにはそういう力が必要だと感じています」と、レジェンドへの憧れを口にした。

 なでしこジャパンは、3月4日に女子アジアカップの初戦を迎える。石川は、なでしこジャパンのメンバーとしてアジアの頂点を目指す戦いに挑む。「海外に来てよかったと大きな声で言えるような成長を見せたい」と意気込む。エバートンで揉まれ、一回り大きくなった彼女。その成長の真価が問われる舞台が目前に迫っている。

(砂坂美紀 / Miki Sunasaka)



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