内定先の新監督に元日本代表「こんなチャンスはない」 高卒→J入りで目指す「ミスターの申し子」

藤枝内定が決まっている静岡ユースのFW山﨑絢心
ボールを持ったらとにかく速い。爆発的なスピードとキレを駆使し、一気にチャンスゾーンまで運んでいく。SBSカップ初日のU-18日本代表vs静岡ユースの試合で、1トップとしてスタメン出場した静岡ユースの山﨑絢心(藤枝MYFC内定)は、持ち前のスピードを武器にU-18日本代表の守備陣を脅かした。
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山﨑は前半25分、ボールを持ったCB酒井舜哉(RB大宮アルディージャU-18)に背後から一気に加速して身体をうまく当て、ボールを奪取。すると素早くカットインを仕掛け、カバーに来たMF和田直哉(浦和レッズユース)もキレのあるダブルタッチでかわし、強烈な左足シュートを放った。これはU-18日本代表のGK萩裕陽(名古屋グランパスU-18)のダイビングキャッチに阻まれたが、このビッグチャンス以外にも、スピードに乗ったドリブルと前線からの果敢なチェイシングでU-18日本代表を苦しめ続けた。
だが後半は、立ち上がりからU-18日本代表のペースに。山﨑のもとにチャンスボールが入る場面は減り、後半12分で交代を告げられた。
試合後、U-18日本代表のCB中野陽斗(神村学園/いわきFC内定)が「かなり厄介でしたね。スピードが凄いのでビルドアップの時に手を焼きましたし、いい選手だと思いました」と語ったように、山﨑は57分間で強い存在感を示した。
「代表のDFは自分より身長が大きくて、力強さがあった。久保(遥夢、前橋育英、名古屋グランパス内定)選手と中野選手はU-17日本高校選抜で一緒にやっていて、味方としてプレーしても、あまり抜かれているところを見なかったので、やっぱり対峙してみて簡単ではない相手だなと思いました」
試合後、山﨑はこう振り返った。所属する富士市立高の今季シーズンはすでに終了しており、このSBSカップが高校生活最後の大会となる。
「来年からプロの世界に入るということで、周りからの見られ方も変わってきましたし、相手のレベルが高い中で、自分がどれだけ突き抜けた選手になれる可能性を持っているかを示す大会にしたいと思っています」
U-18日本代表戦と第2戦のオーストラリア代表戦は、来年からホームスタジアムとなる藤枝総合運動公園サッカー場で行われる。「自然とモチベーションが上がります」と、山﨑は笑顔を見せた。
内定先の藤枝では、槙野智章新監督の就任が決まり、大きな話題となっている。山﨑自身もこれまで浦和やヴィッセル神戸でのプレーを見てきており、日本代表として出場したロシアW杯の姿も記憶に残っている。
「日本代表だった方なので、正直、自分のサッカー人生において、これまでもこれからも関わることになるとは思ってもいませんでした。それが来年から選手と監督の関係になることにびっくりしています。
ただ、こんなチャンスはないですし、槙野監督が現役時代は球際の強さだったり、駆け引きだったり、泥臭さを持っている選手だという記憶があるので、そこは僕に足りない部分だと思っています。積極的に学んでいきたいです」
課題解消はプロで戦っていく上で欠かせない要素だが、「自分の武器はボールを持ってから。ドリブルやスピード、推進力を見てもらいたいです」と語るように、山﨑には唯一無二の強みがある。長所を存分に磨き上げ、『ミスターの申し子』と呼ばれる存在になるために。山﨑はこれからも恐れることなく己の力を発揮し、藤枝総合運動公園サッカー場のピッチを駆け抜けていく。
(安藤隆人 / Takahito Ando)
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』(共に徳間書店)、など15作を数える。名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクターも兼任。





















