英語で所信表明…浦和サポへ「待っていて」 興梠慎三が歩む指導者の道「本気で監督になるために」

引退試合を行った興梠慎三【写真:産経新聞社】
引退試合を行った興梠慎三【写真:産経新聞社】

興梠慎三が指導者としての道を歩む

 昨シーズンを最後に浦和レッズで現役を引退した興梠慎三氏が、12月13日に埼玉スタジアムで引退試合を行った。試合後のセレモニーでは英語でスピーチを行い、「監督としての道を歩みます」と宣言した。

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 キャリアのスタートから8年間所属した鹿島アントラーズと、11年間プレーした浦和が対戦する形式で「URAWA REDS 2017 vs KASHIMA ANTLERS 2007-09」と銘打ったゲームは、興梠氏のゴールもあり3-1で浦和の勝利で終わった。試合後のセレモニーでは、この試合では鹿島の一員でプレーし浦和でのプレー経験も持つDF西大悟に、サプライズで今季限りで現役引退をする挨拶を求めるなど、随所に型にハマらず、それでいて思いやりを感じさせる興梠氏らしさを見せた。

 そして最後のスピーチは通訳をつけた英語でのもの。そこでは感謝の思いが話されたうえで「ここから先、私は監督としての道を歩みます。その時に一番大事にしているのは選手とのコミュニケーションです。だからこそ、私は国大セミナーの力を借りて英語を勉強しています。そうすることによって外国人選手と直接コミュニケーションが取れます。僕が浦和レッズの監督として戻るまで待っていてください。一生懸命突き進むことを皆さんに誓います」と、浦和のパートナー企業で学んでいることも明かしながらの所信表明になった。

 この英語でのスピーチについて、浦和でコンビを組んでいた李忠成氏は「やはり彼は明確に、監督になるっていう目標はある中で、日本だけじゃなくてグローバルな監督、日本から世界に活躍するような監督になるんだっていうメッセージだと思うんで、全力で応援したいですね」と話した。

 指導者としての将来像について、那須大亮氏は「総じてマネージメントに関してはうまそうだなって思う。人の心を掴むから、すごくいいチームというか、いい人が集まってくるんじゃないかな」と、共に過ごした日々から想像して話し、FW武藤雄樹(SC相模原)は「勝負師なところがあるので、そういったところが監督になっても見られるんじゃないかなと思いますし、きっと攻撃的な監督になると思うので、素晴らしいサッカーを見せてほしい。そして、興梠さんのようなFWを育ててほしいですね」とエールを送った。

 この日のピッチでともにプレーした阿部勇樹氏は浦和ユースの監督、平川忠亮氏はFC琉球で監督を務める。鹿島サイドでは、大岩剛氏がU-22日本代表の監督で、岩政大樹氏はすでにJリーグの複数クラブで監督経験を持つ。さらに、浦和で共闘した同世代の槙野智章氏は、来季からJ2の藤枝MYFCで監督に就任することが決まり、コーチには杉浦大輔氏が就任。他にも指導者ライセンス取得を進めている仲間もいれば、クラブの強化部門に身を置く仲間もいる。

 槙野氏は「こうやってサッカーに携わることができるのも素晴らしいことだと思いますし、逆に裏方に回る人もたくさんいると思いますけど、こうやって一緒にやった仲間と同じチームで仕事するだとか、対戦相手でバチバチするのが楽しみなんです」と、次のステージで再び出会うことへの希望を話した。

 興梠氏は「マキ(槙野氏)に関しては藤枝が決まって、すごく応援していると同時に、いつかは監督としてマキと対戦できたらいいなと思います。本当に成功してほしいと思っているし、見ていると自分と似たような戦術でもありますし、2人で切磋琢磨しながら良い監督になれるようにしていけたら」とエールを送りつつ、「僕自身は来年から指導者一本でいくので、本気で監督になるために徐々に段階を踏んでいけたらと思います」と、今後の活動について明かした。

 歴代最多ゴール記録を樹立するなど「浦和のエース」として君臨してきた興梠氏。次のステージでは、浦和のリーダーとして埼玉スタジアムのベンチに戻ってくる日が訪れることが期待される。

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