J1内定も…8か月の長期離脱で“焦りと悔しさ” 同期の活躍に「僕も早くあの舞台で」

東海学園大の佐藤颯真、横浜FC内定も今年1月に負傷して長期離脱を強いられた
長いリハビリ期間を経て、ついに復帰することができた。横浜FC内定で東海学園大学のセンターバックでプレーをする佐藤颯真は、今年の1月に負傷して長期離脱を強いられた。
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「手術もリハビリもずっと横浜FCの方でさせてもらいました。サッカーが出来ない分、プロで戦える身体作りをしないといけないと思って取り組んできました」
この言葉通り上半身も下半身もフィジカルが増した状態で、8月下旬からスタートした東海大学サッカーリーグ1部後期から復帰を遂げた。
183センチのサイズと両足を使いこなしながら、ビルドアップとロングフィードでの局面打開を得意とし、守備面でも鋭い寄せを見せる。特にボールを受けてからのターンのスピード、持ち出しのスピードが上がったことで、相手を一瞬で剥がしたり、より早いタイミングでフィードやサイドチェンジ、鋭い縦パスを打ち込めたりするようになった。8か月に渡る肉体改造の成果は着実に現れていた。
「横浜FCのトレーナーさんがずっと付きっきりでやってくださって、毎日しっかりと目的意識を持ってやれたことが大きかったと思います。食事面や体調管理面もより意識と知識は深まりましたし、個人的には天然芝で足を滑らせてしまうことを注意されていたのもあって、踏み込みや足の出し方などの整理と強化にも取り組みました。踏み込みの角度、強度、タイミングなど細かい部分を意識して、地面に対して正しく足を付けたり、ステップワークなどを意識することで、自分の強化ポイントだったアジリティーの向上につながると思って、フォームや最初の一歩目の踏み出しの質などに拘りました」
手応えを感じる一方で、やはり出遅れた焦りと悔しさもあるのも事実だ。同級生で仲の良いDF細井響(新潟医療福祉大学)が左のウイングバックとして横浜FCでスタメン起用され、ロングスローと左足の強烈なキック、守備力を武器にして大活躍を見せている。
「仲が良いので嬉しい気持ちと悔しい気持ちの両方があります。響だけではなく、地元が一緒で大学選抜で仲良くなったDF山之内佑成(東洋大、柏レイソル内定)もJ1で活躍していて、本当に刺激になっています。僕も早くあの舞台でやりたい気持ちはありますが、まずはしっかりとコンディションを上げて、東海学園大学でしっかりと結果を残すことが大事だと思っています」
自分と向き合って、今何をやるべきかを彼は理解している。東海学園大でプレーしながらも、常に横浜FCの基準を持って取り組んでいる。
「リハビリ中に何度も試合を三ツ沢で見たのですが、プレーできない状態だったので冷静に自分が入ったらどうするかをイメージしながら見ることが出来ました。横浜FCは練習を見ても攻撃はセカンドボールを拾うスピードや切り替えのスピードを重点に置いていたので、そのイメージを持ってこっちで練習や試合に臨んでいます。東海学園大は足元の技術を徹底して磨ける環境なので、プロのスピードと強度を持ったなかで発揮できる技術をインカレまでの時間で磨いて、違いを出せるようにしていきたいと思っています」
チームは今、16勝1敗2分の成績で首位を独走している。そのまま残り4試合を勝ち切って、東海王者としてインカレに臨み、全国で違いを見せつけてからプロの世界に飛び込むべく。苦しいリハビリ期間を乗り越えた佐藤は、地に足を付けて未来に向かって歩き出している。
安藤隆人
あんどう・たかひと/岐阜県出身。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、フリーサッカージャーナリストに。育成年代を大学1年から全国各地に足を伸ばして取材活動をスタートし、これまで本田圭佑、岡崎慎司、香川真司、南野拓実、中村敬斗など、往年の日本代表の中心メンバーを中学、高校時代から密着取材。著書は『走り続ける才能達 彼らと僕のサッカー人生』(実業之日本社)、早川史哉の半生を描いた『そして歩き出す サッカーと白血病と僕の日常』、カタールW杯のドキュメンタリー『ドーハの歓喜』(共に徳間書店)、など15作を数える。名城大学体育会蹴球部フットボールダイレクターも兼任。




















