9月以降、流れの中からノーゴール 浦和の得点力不足…問題点は「練習よりも頭の中」

浦和・西川周作が現状を語る【写真:徳原隆元】
浦和・西川周作が現状を語る【写真:徳原隆元】

西川周作が明かした現状「提示してくれる人がしっかり提示するのが大事」

 浦和レッズは10月25日にJ1第35節の町田ゼルビア戦を0-0で引き分けた。これで9月以降のリーグ戦では7試合で1ゴール。流れの中からはノーゴールと得点力不足が顕著になっている。

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 浦和は9月のリーグ初戦となった第29節ガンバ大阪戦を迎える時点で、ラスト10試合で首位との勝ち点差7につけていた。逆転優勝の可能性も感じられるポジションだったが、そこから4試合連続ノーゴールで2分2敗と一気に失速。鹿島アントラーズとの直接対決に0-1で敗れたゲームも含まれ、優勝戦線から脱落した。10月4日のヴィッセル神戸戦はセットプレーから1点を奪い勝利したが、横浜F・マリノスには0-4の大敗。そして、この日の町田戦もノーゴールだった。

 この7試合、横浜FM戦を除けば複数失点のゲームはなく、4試合が無失点だった。しかし、ゴールを奪えなければ勝利の可能性がない競技においては1勝3分3敗と勝ち点が伸びない。

 この町田戦では前半よりも後半にチャンスがあったものの、ゴール前を切り崩した決定機と呼べるほどの場面はなかった。MF関根貴大らの背後のスペースへ積極的に走り込む選手も見られたが、なかなかパスは出てこなかった。関根は「無理にでも裏を狙った方が結果的に良かったのかなと思います。練習ではもっといい状況でボール保持者が受けて裏を狙えていたので、リスクも考えると狙いきれなかったのかなと。もっといい形でビルドアップできれば、走る方も出す方も簡単に通せたパスがあったと思うんですが、再現性を出せなかった部分だと思います」と話した。

 関根から再現性という言葉も出たが、この日の攻撃を見てもアタッキングサードに入ってからボールを受けた選手が考えてからパスやドリブルを選択する場面も見られ、スムーズさは感じられなかった。それでも、マチェイ・スコルジャ監督は「プレーの自動化はある程度できていると思う。でも、選手の特徴を考えれば、マテウス・サヴィオや金子拓郎は本能的にドリブルを仕掛けるし、そこに制限は掛けたくありません」とコメントした。

 長年浦和でプレーし、圧倒的な攻撃力を武器にした時代も知るGK西川周作は「何をどう改善したらいいかというところは、練習よりも頭の中で提示してくれる方が今は大事なのかなと。このシーズン後半で今、バリバリと練習するよりも、頭の中でちゃんとした構造とかをみんなで整理できれば、もっと簡単にシンプルに点も入るのではないかなと。これはGKの考えですが」と話す。

 そして、なかなか最終局面でワンタッチやスルーなどコンビネーションが出てこない現状について「ワンタッチやフリックして3人目の動きなどは足りない部分かなと。そこは提示してくれる人がしっかり提示するのが大事ですし、選手もそこがクリアになればもっとコンビネーションも出ると思います。能力を見ると素晴らしい選手たちがいるので、そこを最大限出してくれるようなトレーニングは間違いなく必要なんじゃないかと思います」と、トレーニング段階からの改善についても話した。

 この7試合の中には清水エスパルス戦のようにゴール前のチャンスを量産しながら決定力を欠いた試合はあるが、全体的に見ればビッグチャンスの数は物足りない。シーズン終盤に入って流れの中から7試合連続でノーゴールという現状は、タイトル争いからの脱落も止むを得ない課題になっている。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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