こぼれた涙…10人での劇的同点弾も「悔しかった」 監督の異例の鼓舞に「みんな一緒」

京都の曺貴裁監督が異例の鼓舞【写真:徳原隆元】
京都の曺貴裁監督が異例の鼓舞【写真:徳原隆元】

京都の宮本優太「心の中で思っていたことはみんな一緒だったと思います」

 京都サンガF.C.は10月19日、J1リーグ第34節で湘南ベルマーレと1-1で引き分けた。悲願の初優勝へ向け痛恨のドローとはなったものの、数的不利のなかで後半アディショナルタイムに劇的同点弾。途中からキャプテンマークを巻いたDF宮本優太は試合後に涙を流し、「3ポイントが必要だった」と悔しがった。

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 優勝を争う上で絶対に落とせない、19位に沈む湘南とのアウェーゲーム。しかし、京都は相手の気迫に押される展開となる。前半29分、自陣でのボールロストからFW鈴木章斗に先制点を献上。同36分にはPKのチャンスを得るも、FW原大智が相手GKに阻まれ失敗。同ATにはDF鈴木義宜が一発退場となってしまった。

 1点ビハインドで数的不利という絶望的な状況で試合を折り返したが、思いのほかチャンスを作ることに成功する。すると、後半AT10分、宮本の縦パスを受けたMF山田楓喜が右サイドからクロス。逆サイドから飛び込んできたDF須貝英大の劇的なヘディングで土壇場で追いついたが、勝ち点3には届かなかった。

 湘南のDF中野伸哉が足を攣っていたことから、右サイドの山田に「こっちに持ってきてくれ」とお願いされていたと明かす宮本。「あそこはもう思い切って、取られたら取られただろうと思いながら、チャレンジした結果でしたね」と縦パスを入れたからこその劇的弾。「素直に嬉しかったです」と振り返った。

 試合後には、曺貴裁監督が自ら拡声器を持ち、平塚まで駆け付けたサポーターに初優勝への思いを伝えた。その輪の中で涙を流した宮本は、「勝った方がもちろん優勝に近づけていたので、そこは、うん。悔しかったなって思いながら。3ポイントが必要だったなと思いましたね」と悔し涙だったと明かした。

 宮本によると、曺監督は「難しい状況ですけど、まだ優勝は残されているから、サポーターの皆さんも最後まで僕たちの後押しをお願いします」と伝えたという。「サポーターに対して言ってくれたのが曺さんであって、心の中で思っていたことはみんな一緒だったと思います」と宮本は全員の結束を強調した。

 浦和レッズからの期限付き移籍で2年目の宮本だが、「今までの僕たちの成績やクラブの歴史を考えると、優勝争いできているのはものすごく嬉しい」と充実の日々。「ファン・サポーター、地域に何か恩返しできるとしたら、リーグのタイトルを獲ることだけが僕らのミッションだと思う」と初優勝を誓った。

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