浦和FW安部裕葵が1616日ぶりの公式戦「正直やめていたと思う」 刻んだ10分の出場「新しい人生」

J1リーグの出場は鹿島時代の2019年以来
浦和レッズの元日本代表FW安部裕葵が、10月18日のJ1第リーグ34節・横浜F・マリノス戦に途中出場。スペイン時代の2021年5月以来の公式戦出場に、周囲の支えへの感謝を語り、「新しいサッカー人生だと思ってやっていけたら」と喜びを噛みしめた。
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東京五輪世代の中心選手の1人だった安部は2019年夏に鹿島アントラーズからスペインの名門バルセロナのBチームに移籍。しかし、翌年から負傷が多く安定した出場ができず、23年6月に契約満了で退団。プレシーズンマッチなどの出場はあったが、21年5月16日が公式戦で最後の出場になっていた。23年夏に浦和へ加入するもリハビリと復帰に近づいた時期の負傷も繰り返されていた。
浦和加入からこれまでにも「4回くらい、その週に行くぞというタイミングがありました。でも実際、その週の前日とか2日前、3日前にもも裏に違和感を感じて、そこで練習を離脱することがあった」のだという。それだけに慎重な姿勢になっていたが、このゲームに無事こぎつけた。
試合は前半だけで浦和が0-4のビハインドを背負っていたが、加入後初の公式戦メンバー入りになっていた安部は後半もウォーミングアップエリアで体を動かし続けていた。そして試合がラスト10分になろうというタイミングで声が掛かった。MF安居海渡との交代で後半36分にピッチへ入り、これがキャリアではスペイン時代の2021年5月16日以来、1616日(約4年5か月)ぶりの公式戦出場。Jリーグへの出場は鹿島時代の19年7月6日のJ1第18節ジュビロ磐田戦以来2296日(約6年3か月)ぶりとなった。
安部はピッチに立った瞬間について「本当はいろいろ来るものがあると思うんですけど、0-4だったので…。でも、とにかく点差は関係なく、今まで僕の復帰のために尽力してくれた人たちのために、そういう姿勢を見せようと思っていた」と振り返る。
この長い年月について「実際に怪我をした瞬間は、4年、5年も長くなるとは思っていなかったので、常に2か月後、3か月後には復帰できると思いながら続けてきました。それで5年が経ってしまいました。最初から5年かかると思っていたら正直やめていたと思いますし、乗り越えられていなかったと思います。怪我もあって落ち込むこともありましたが、数か月先に希望があったのと、支えてくれる人がいたので、なんとかここまで来られました」と、その重みを語った。
それだけに、この1日を終えて「僕をサポートしてくれた人たちのために、という気持ちが強かったです。これからのサッカー人生も、自分のためだけでなく、本当にいろんな人に頑張ってもらったので、そういう人たちの人生を背負うくらいの気持ちで、まだ若いので、これからもサッカーを頑張ろうと思います」と、感謝の言葉を残した。
今後はより良いプレーをできるか、輝きを取り戻せるかに焦点もあたる。自身は「ここ5年近く、プレーすることが一応ゴールではあったんですが、いざここまで来ると、あくまで通過点なんだなと思います。勝ちたい思いや、タイトルを取りたい、いいプレーをしたいという気持ちはサッカー選手なので自然と出てくるので、しっかり怪我と向き合いながら、またもう一歩、もう二歩と、新しいステップに行けたらいいなと思います」と前を向いていた。
26歳のアタッカーはSNSなどを通じて大量の祝福メッセージが届いていると笑顔も見せ、「新しいサッカー人生だと思って、やっていけたらなと思います」と言葉にしてスタジアムを後にした。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)





















