J1複数クラブ争奪戦…超逸材が“衝撃デビュー” 大迫封殺に指揮官「将来性を感じる」

浦和の根本健太が衝撃デビュー【写真:徳原隆元】
浦和の根本健太が衝撃デビュー【写真:徳原隆元】

リーグ戦デビューの根本健太「『これだけやれる』という感覚は得られました」

 浦和レッズのDF根本健太は、10月4日のJ1第33節ヴィッセル神戸戦でリーグ初スタメンのピッチに立ち、1-0の勝利に大きく貢献した。大学ナンバーワン・センターバックの評判も高かった根本は神戸の強力攻撃陣を封殺し、随所に質の高いサイドチェンジも見せる出色のプレーぶりだった。

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 根本は今季に向け流通経済大から加入したが、それに向けては片手で数えきれないほどのJ1クラブが争奪戦を繰り広げたとされる。そうしたなかでの浦和入りだったが、マチェイ・スコルジャ監督が「クラブ・ワールドカップ(W杯)の前の時期は経験が豊富なマリウス・ホイブラーテンやダニーロ・ボザを中心にプレーしました」という方針があったことを明らかにしたように、シーズンの前半戦はチャンスをつかめなかった。

 8月に入りリーグ戦の横浜FC戦でラスト10分ほどを左サイドバックでプレーしてデビューすると、9月3日のルヴァンカップ準々決勝、川崎フロンターレとの第1戦でフル出場した。指揮官は「(川崎戦で)健太は素晴らしいプレーをしました。リーグ戦でも通用するという確信がそのときにありました」と話し、ボザが累積警告で出場停止となった神戸との決戦にスタメン出場のチャンスを得た。

 自身にとってのファーストプレーで相手エースFW大迫勇也に対してタイトな寄せを見せ空中戦で競り勝った。緊張もあったという根本だが、「ファーストプレーで負けちゃいけないと思っていましたし、『自分はやれる』というのを見せるつもりでゲームに入りました」という1プレーは、試合へスムーズに入ることを助けた。

 そして、自慢の左足から長短を織り交ぜた縦パスやサイドチェンジを次々に繰り出した。逆サイドのMF金子拓郎へ、鋭く伸びていく正確なボールを通してスタジアムを沸かせれば、対角に当たるボランチへ相手の逆を突くようなパスも見せた。自身もまた「それが自分の持ち味ですし、そこが出せなくなったら自分の良さが消えてしまうと思っています。どんどんチャレンジしていかないと成長もないと思うので、そこは自分の武器として出していきたい」と話した。

 コンビを組んだホイブラーテンは「素晴らしい試合をしたと思います。彼には僕も満足しています。我々の連携も非常によかったですし、ホームのファンの前で勝利できたのは、彼にとっても素晴らしいことだったと思います。素晴らしいロングパスでした。レンジもありますし、対人でも非常に強い。きょうはすべて順調に、彼の仕事ができたと思います」と、絶賛した。

 スコルジャ監督は試合後の会見で、「本日はイサーク・キーセ・テリンが最終ラインの前でターゲットになる形を取りました。そして背後を狙うのは両ウイングと渡邊凌磨でそこに健太からの長いボールを届けようというものでした」と、根本のロングパスを戦術に組み込んで臨んだことを明かした。そして、「健太のパフォーマンスが非常にポジティブでした。将来性を感じるプレーを見せてくれました。残り5試合の中で彼が出場する機会は必ずあると思います」と言及した。

 これまで出場機会に恵まれなかったことが意外に思えるほどのパフォーマンスを見せた根本は、川崎や神戸といったJ1屈指の攻撃陣と対峙したことで「自信がついたというか『これだけやれる』という感覚は得られました」と話す。遅れてきたルーキーとなってしまったが、ここからシーズンの締めくくりで浦和に未来への希望を与える存在になるはずだ。

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