いよいよ首位浮上 J屈指の助っ人が感謝「味方があっての自分」…山口蛍は「別次元の選手」

マテウス・ジェズスが監督、チームメートを称えた
V・ファーレン長崎は10月4日に行われたJ2リーグ第32節でジェフユナイテッド千葉と対戦し、2-0で勝利した。自動昇格圏を争うライバル相手の勝利をもたらしたのが、10番を背負うMFマテウス・ジェズスだった。
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序盤、千葉に押し込まれていた長崎だったが、前半45分に相手の攻撃をしのいで自陣からロングカウンターを仕掛ける。マテウス・ジェズスがボールを運んで左サイドのFWエジガル・ジュニオに展開。エジガル・ジュニオアがゴール前に入れたクロスが、そのままポストを叩いてゴールに決まるような形となり先制点となった。リードをした長崎は最終的に千葉に倍以上となる27本のシュートを打たれながらも完封。後半27分にはMF松本天夢が追加点を挙げて粘る相手を突き放した。
随所に圧倒的な個の力を示したマテウス・ジェズスは「難しい試合でした。毎回、ここでの試合は競り合いも多く、難しくなります。相手もすごく攻めてくるチームだとわかっていましたが、今日は守備陣、センターバックとGKを含めて体を張って守ってくれたので、勝てたと思います」と、試合を振り返るとともに完封に抑えた守備陣を称えた。
前半はなかなかボールを受けられない展開になったが、「相手の守備の切り替えが早く、ボールを奪ってもゴールまでが遠くて苦労しました。ただ前半30分を過ぎれば、相手も疲れてくるとわかっていました。ゴールにつながったパスの場面のように、スペースが空いてくるとわかっていたので、それを生かすことができたと思います」と、焦れることなく相手が疲れることを待てたと話す。
マテウス・ジェズスを軸としたカウンターは、現在の長崎の大きな武器だが、それを可能にしている理由の1つに、高木琢也監督の采配を挙げた。「自分はいつも前を見てスペースを探していますが、自分が守備に戻らないことも多くあります。それは見方が僕の分もDFをしてくれているから。守備に使わなかったエネルギーをカウンターに使えています。味方があっての自分なんです。それでカウンターを仕掛けられて個人で行けたり、2点目のゴールシーンも攻撃で絡めていますが、高木監督のおかげです。全員が守ることも重要だと思いますが、彼はそういうところを優遇してくれるので、自分の特徴がより出せていると思います。彼がもっと守備を求めていたら、ここまで活躍できなかったかもしれません」。
背後で広大なエリアをカバーするだけでなく、飛び出してフィニッシャーにもなっているのが、キャプテンの元日本代表MF山口蛍だ。この試合、ゴールにはならなかったが、マテウス・ジェズスのパスから山口が決定機を迎える場面もあった。「蛍と一緒にプレーできるのはうれしいですし、彼は頭もよく、別次元の選手です。彼が後ろにいる時は、すぐにボールが来ます。逆に僕がボールを持っていると、すごく良いタイミングでスペースに飛び出してくれるので、そういう特別な選手を使えているというのは、すごくチームにとっても武器になっていると思います」と、山口とのコンビネーションの手ごたえを口にした。
現在、28歳のマテウス・ジェズスだが、U-20ブラジル代表歴もある実力者としては、これまでのキャリアではそれほど大きな数字を残せていない。かつてサントスやコリンチャンスといったブラジルのビッグクラブに所属していた長崎の10番は、「若い時にビッグクラブに所属すると舞い上がったり、調子に乗ってしまったりすることがありますが、それがキャリアを停滞させた原因だと思います。今は家族がいて、サッカーに集中できる環境にあるので、神様からもらったセンスを出せていると思います」と、現在の活躍の要因に、よりサッカーに向き合えていることを挙げた。
20代最後の1年は、トップリーグでの活躍が期待される。「僕だけではなく、長崎の選手全員がJ1に上がりたいという気持ちでやっています。全員がJ1で通用すると思っていますし、まずはしっかり戦って昇格すること。自分たちの価値というのは、グラウンドでしか示せないので1試合1試合しっかりと示して、来シーズンもできることを見せていきたい。今日勝ったことで自信もつきましたし、この先にある重要な試合も、自信を持って臨みたい」と、8年ぶりのJ1昇格をただ達成するだけでなく、しっかり力をつけてJ1へいきたいと意気込んだ。




















