現役代表選手が異例の取り組み「もう断れない」 まさかの提案で始めたSNS運営「すごいノリノリ」

エバートンにはMF籾木結花を含め4人の日本人が所属する
現役の日本代表選手たちがSNSのチャンネルを運営するという、異例の取り組みを始めた。「違った一面、違う魅力を見たいと思う人が増えてくれたら、自分たちも嬉しいです。それで少しでも女子サッカーを見たいとか、なでしこジャパンを応援したいって思ってくれる人がいればいいなっていう思いで今は4人でやっています」。こう語ったのは、イングランド女子1部のエバートンに所属するなでしこジャパンMF籾木結花だ。
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籾木は7月に同じイングランドのレスター・シティからエバートンへと移籍した。新天地には既にMF林穂之香が在籍しており、籾木と同様に三菱重工浦和レッズ・レディースからDF石川璃音、スウェーデンのBKヘッケンからMF北川ひかるが今季から加わり、4人の日本人選手が同じピッチで汗を流すという稀有な環境に身を置くことになった。
なでしこジャパンでともにプレーする仲間たち。年代は違えど、その結束は固い。そんな4人が9月から始めたのが「ジャパートン」というSNSプロジェクトだった。

籾木はこう明かす。
「始めようって言ったのは北川ひかるなんです。女子サッカーの普及、広めたいという思いがあって、こういった日本人選手が4人集まることもすごく貴重だし、この機会にやってみたいんだけどって。もう断れないぐらいな勢いで、すごいノリノリで言ってきたので、みんな『いいよ、やろうよ』みたいな感じで始めました」
籾木は笑いながら振り返る。北川の熱意に押された形だったが、女子サッカーの発展という思いに共感した。「4人で話していても常に笑いが絶えないですし、そういったものをこう自然と出せれば、自分たちも苦になることなく、出して行けるっていうふうに思っていたので」。ピッチ上では見せない表情やオフの過ごし方を配信するチャンネルになっている。
TikTokは北川が担当し、YouTubeの動画編集は籾木が手がけているという。慶大卒業後、スポーツクラブの運営やコンサルティング事業を手がける企業に就職しながら、選手としてプレーを続けた異例のキャリアと、そのバイタリティを存分に生かしている。
「毎週、撮影の日程などを決めて収録しています。これまで何本か動画を出していて、アナリティクス(アクセス解析)を見ると『TikTokとYouTubeで見ている年齢層が全然違うな』とか『自分たちが届けたい年齢層にこういう風に届けられるかな』みたいな話をしています」
データや傾向などを分析し、それと向き合いながら、より効果的な発信方法を模索する。サッカーとも向き合いながら、可能な限りで新たなファン層の開拓に取り組もうとしている。
「同世代や高校生など若い方たちに見てもらいたいなと思っています。SNSは本当に1つの要素でしかないですけど、あくまで自分たちのプレーを見てもらいたいっていう事は変わりません。日々の過ごし方がおろそかになることはないですけど、違った一面、違う魅力を見てもらえたら、自分たちも嬉しいです」
もちろん、SNS活動の根底には選手としての矜持がある。エバートンで既に中心選手としてリーグ戦4試合に出場して1得点の結果を残している。ピッチ上での躍動があってこそ、オフの発信にも説得力が生まれる。実際、そうした動画には「4人の女子トーク、サイコーです」「凄い時代が来たよね~」「新たな試み応援します」と、好意的なコメントも寄せられている。
配信サービスの普及により、日本からもエバートンの試合を観戦できる時代。ハイレベルな戦いを楽しみながら、選手たちのオフも知ることで、より深く女子サッカーに触れることができる。日本女子サッカーの未来を切り開くため、海外から新たな風を送り続ける籾木結花たち。ピッチ上での活躍とともに、その発信力にも注目しながら、新天地での挑戦を見守りたい。




















