カズは連続ベンチ外…復帰目処立たず チームも下位低迷で嘆き「どうしたら抜け出せるのか」

鈴鹿はブリオベッカ浦安・市川に0-1で敗戦
JFLアトレチコ鈴鹿の泥沼が続く。鈴鹿は9月21日、ホームの三交鈴鹿でブリオベッカ浦安・市川と対戦。0-0で迎えた後半アディショナルタイムにPKで失点し、0-1で敗戦。10試合連続で勝利から遠ざかり、16チーム中13位に転落した。FWカズ(三浦知良、58)はこの日もベンチ外。右足首の痛みが長引き、復帰のめども立っていない。
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スタンドからため息がもれた。この日はクラブのトップパートナー「株式会社トピア」のスポンサーマッチ。カズ不在では最多の1912人のファンが見守ったが、引き分け濃厚の90+4分、PKで失点した。3試合連続のアディショナルタイムの失点。「またか」の空気が会場に漂う。
Jリーグ昇格を目指してスタートした今季、5勝5分け5敗の五分だった前半15試合はアディショナルタイムの失点が0だった。ところが、後半に入ってからは7試合で5失点。11失点の半分近くをアディショナルタイムに奪われ、引き分け試合を3試合落とし、1試合で勝ち点3を逃している。
山本富士雄監督(59)は「準備してきたことはできていた」と話した。前半はカウンターからチャンスを作り、MF福元友哉(26)が惜しいシュートも放った。しかし、後半は相手に攻め込まれ、足が止まった終了間際に失点。山本監督も「何か原因はあると思う」というのが精いっぱいだった。
チームの起爆剤として、さらに集客の切り札として期待されるカズも状態は変わらず。この日、特別ゲストとしてクリニックとハーフタイムトークショーのために来場した元日本代表の小野伸二氏(45)と旧交を温め、かつてのチームメートで横浜FCでは監督と選手の仲だった浦安・市川の都並敏史監督(64)とも試合前に会話を交わした。
カズと並んで試合を観戦した小野氏は「カズさんの試合を見たかったから残念。でも、一緒にいて話をするだけでパワーをもらえる」とエール。カズも「それはお互い様。こっちもパワーをもらった」と話した。
都並監督はケガのために試合から遠ざかっているカズを思いやりながら「プロとしてプレーを続け、お客さんも呼べる。すごいこと。尊敬しかない」と賞賛。こちらも、級友にエールを送った。
勝利から遠ざかり、カズもピッチから遠ざかる鈴鹿。この日、最下位YSCC横浜は敗れたが、地域リーグ降格圏の15位飛鳥FCは引き分けた。勝ち点21の鈴鹿と同18の飛鳥との差は、わずかに3。斉藤浩史オーナー(54)は「厳しいですね。どうしたら抜け出せるのか」と苦渋の表情で話していた。
(荻島弘一/ Hirokazu Ogishima)
荻島弘一
おぎしま・ひろかず/1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者として五輪競技を担当。サッカーは日本リーグ時代からJリーグ発足、日本代表などを取材する。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰。20年に同新聞社を退社。




















