打ち明けたいじめ…両親から「行かんでもいい」 孤独な学校生活の支え「サッカーがあるから」

滝川結女が告白した当時の陰口や仲間はずれ
女子サッカーの未来を考えるーー。WEリーグとFOOTBALL ZONEの共同企画「WE×ZONE 〜わたしたちがサッカーを続ける理由〜」がスタート。5年目を迎えたWEリーグで日々奮闘する選手たちの人生に迫る。第1回はアルビレックス新潟レディースのなでしこジャパン(日本女子代表)FW滝川結女。“新発田のアイドル”として知られる26歳の点取り屋が歩んだ道筋とは。連載2回目は小中学校時代に悩んだいじめについて。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞/全6回の2回目)
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ひと息吐いてゆっくりと口を開いた。
「自分にはサッカーもあるし、知り合った繋がりもある。学校だけの狭い世界じゃなくて。サッカーがあったから上手く保てていた。打ち込むことができた。それをずっとやってきたというのがあります」
5歳から始めたサッカーに夢中になった小学生時代。男の子に1人混じってボールを追いかけていた。だが、毎日が充実して楽しいというわけではなかった。学校生活の中で、滝川の身に降りかかってきたのはいじめ。そんな時も支えはサッカーだった。
「嫌なことがあってもサッカーがあるからいいや、となれた。小学校の時は無視されたり……。1回、親にも言ったんです」
1人で孤独に戦っていたが、現状を両親に打ち明けた。「そんなんやったら学校にもう行かんでもいいよ!」。滝川の心に寄り添い、一緒に立ち止まってくれた。だからこそ、決心がついた。
「自分は負けたくなかった。だから学校には休まずに行って。嫌なことがあったら放課後にボールを蹴っていました。学校では1人でいることも多かったですけど、自分にはサッカーがあったので」
中学校に進学すると、年代別代表に選出されるようになった。最初の合宿は入学してすぐ。約2週間、学校に行くことができなかった。
「代表に行く前に学校側が壮行会を開いてくれたんです。そしたら陰口、仲間はずれだったり……。小学校からあったいじめは、中学2年生ぐらいまで続きましたね」
中学時代は地元の楠クラブレディースでプレー。ボール1つで繋がれた滝川の居場所だった。次第にクラス替えもあり、中学3年生の頃にはいじめもなくなっていった。「途中からは何か言われてもサッカーがあるから特に気にならなかった。サッカーが自分の一部でした」。広い視野を持つこと、仲間を、周囲を大切にすること、滝川は自らに刻み込んだ。
繊細な面もある。悩むし、落ち込むし、たくさん泣いた。でも、ボールを蹴れば明るい明日が見えた。だからこそ滝川は今を、夢を、大切に今日もサッカーを続けているーー。(第3回につづく)
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)





















