痛恨ミスも…失点は「狙われている」 浦和が抱える苦悩「分かりきったプレーをさせられている」

浦和はミスから失点し鹿島に0-1で敗戦
浦和レッズは9月20日のJ1第30節で鹿島アントラーズと対戦し、チケット完売した大観衆の中で0-1の敗戦を喫した。MF安居海渡は「本当に、自分たちで落とした試合」と肩を落とし、ハイプレスを受ける展開についての難しさも口にした。
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このカードは2022年からリーグ戦で7試合連続引き分けのライバル対決になっていた。今季の浦和は3位以内に入るようなことこそないものの、上位に食らいついていくシーズンを展開する中で、この終盤戦に入っての鹿島戦はチケットの販売も好調。今週に入って予定販売枚数終了がリリースされるなど、大観衆の環境になった。鹿島サポーターの数も多く、キックオフ直前から両サポーターの熱量も高まったスタンドでは隣の席と会話するのも難しかった。
そうした立ち上がりの前半14分は自陣でDFマリウス・ホイブラーテンからGK西川周作にパスが出ると、自身の右サイドにいるDFダニーロ・ボザへのワンタッチパスを狙った西川はボールを巻き込んでしまってスピードが出ないパスになってしまう。ここにプレスをかけてきていた鈴木が蹴り込んで、浦和には痛恨の形から鹿島に先制点が生まれた。
西川自身は「間違いなく自分のミスですし、チームに迷惑をかけたと思っています」と話したが、9月7日のルヴァンカップ準々決勝の第2戦で川崎フロンターレのプレスを受けて2つのPKを献上した場面も同様にGK近くまでのプレスを受けたところから。「(相手のプレスが)見切り発車のように、ディフェンスが後ろを向いた瞬間に僕のところへ走ってくる。ディフェンスはその選手が見えていない中で、ギリギリのバックパスが来る。そういったところは狙われていると感じています」と話す。
ホイブラーテンからのバックパスは顕著だが、もう1人のセンターバックのDFダニーロ・ボザが右サイドに少し持ち出してから斜めに中央を狙うパスもかなり読まれていて、自陣でインターセプトをされる場面もあった。西川のプレーにはヒューマンエラーの要素があるが、一方で浦和のボール運びが研究されている中、それを上回るものを見せられていないのも事実だろう。
安居は「もっとシンプルに中央を使って展開できるなら、そうしてほしいし、サミュエル(・グスタフソン)ともそういう話をしています。できるなら、そういった崩し方もしていかないと、センターバックに入ったら裏に蹴るだけ、みたいな展開になると、相手もそういうプレスのかけ方をしてきますし、分かりきったプレーをさせられている感じがします。だからこそ、もっと早い段階でキーパーに戻すとか、中に入れて出して動く回数を増やすとか、そういう意識が必要だと思いました」と話す。
一方で、「今回は自分が比較的高い位置を取ってセカンドボールを意識しましたけど、それは後ろが蹴る準備をしているからこそ、高い位置を取っている。そこで蹴るふりをしてつながれると、そこに自分がいない状態になってしまう。逆に低い位置を取った時に蹴られてセカンドを拾えないこともあるし、悪循環が起こってしまいます」と、不具合について言葉にした。
試合の最終盤はFWイサーク・キーセ・テリンとFW小森飛絢の2トップにMF中島翔哉を加えて同点ゴールを狙ったが、その交代時にMFサミュエル・グスタフソンを下げたこともあり、前に人を増やすもそこにボールが供給できない状態に陥った。安居は「もっと簡単に中に入れてもいいんじゃないか、という場面もありました」としながらも、「(ボールが)戻ってくると後ろまで下がってしまって、結局よく分からない状況になってしまう。それなら(前に)入れて何か起こす方がいいのかもしれませんが、実際には入れられないという感じでした」と話した。
すでにルヴァン杯と天皇杯も敗退して、ラスト10試合になった前節のガンバ大阪戦から痛恨の連敗を喫し、残り8試合で首位の鹿島と勝ち点11差になったことでリーグ優勝争いから完全に脱落した。しかし、シーズン終盤にきてもピッチ内で解決すべき問題が多く発生している姿は、タイトルを最後まで争うチームにふさわしいものとは言えないだろう。



















