【プレミア開幕】久保の元同僚がビッグ6参戦 次世代スター候補がデータで放つ“大ブレイクの予感”

プレミア初挑戦名鑑:トッテナムMFシャビ・シモンズ(オランダ代表)
プレミアリーグ2025-26が開幕し、今夏の移籍市場は閉幕を迎えた。「FOOTBALL ZONE」では2025-26シーズンからプレミア初挑戦を飾る選手を紹介。今回はトッテナムに加入したオランダ代表MFシャビ・シモンズにスポットライトを当てる。バルセロナのユース時代はレアル・ソシエダMF久保建英とも同僚だったシモンズは、世界指折りのヤングスターとして、初のプレミア挑戦に挑む。(データメディア「Opta Analyst」)
【プレミアリーグ2025-26開幕】U-NEXT サッカーパックが全試合を独占配信 気になる登録方法は?
トッテナムがようやく“背番号10”の補強に成功した。ノッティンガムMFモーガン・ギブス=ホワイトの獲得失敗、MFジェームズ・マディソンの前十字靭帯断裂、さらには宿敵アーセナルにクリスタル・パレスMFエベレチ・エゼを“ハイジャック”される苦悩が続いたが、紆余曲折の末に到達したのがシャビ・シモンズだった。
移籍金は5180万ポンド(約103億円)と報じられており、トッテナムは昨季プレミアで生み出されたチャンスのうち、中央エリアからの割合が21%とリーグワースト級だったなか、シモンズの加入は“創造性の補填”という意味で極めて重要な補強と言える。
久保とも当時同僚だったバルセロナ下部組織出身の技巧派MFで、PSVとライプツィヒでその才能を開花させた。昨季ブンデスリーガではリーグ最多級のショット関与数(126回)を記録。その内訳もシュート(43回)、チャンス創出(40回)、ビルドアップ参加(43回)とバランスが取れており、攻撃の多面性を証明している。
特筆すべきはドリブルでの貢献だ。昨季のブンデスで100回以上のドリブルを試みた11選手の1人であり、123回のロングキャリー(10メートル以上の前進)もリーグ6位。なかでもキャリーからのチャンスメイク(15回)やシュート(20回)も目を引くデータだ。キャリーの終着点にも優れており、ゴールかアシストに結びついた回数は6回で、この数字はリーグで4位だった。
昨季は10ゴール7アシストを記録。ライプツィヒがブンデス史上最低の7位に沈んだなかでの個人成績であり、チーム状況を加味すればこの結果は高く評価されるべきだろう。一方で、所属チームのスタイルがカウンター主体だったこともあり、低いブロックを崩す能力は未知数な側面がある。実際、7アシストのうち6つは高い位置でのボール奪取かカウンターから生まれたもの。ポゼッション主導の展開でどこまで違いを作れるかが今後の課題となる。
とはいえ、シモンズのパス精度も見逃せない。昨季は37本のラインブレイクパスを記録し、上位5人はバイエルンとレバークーゼンの選手だった。さらに、ペナルティーエリア内へのラインブレイクパスは34本でリーグ3位。創造性と視野の広さを証明している。守備面でも高評価を得ており、相手陣でのボール奪取は21回。これはブンデスリーガ全体でも8位に入る数字であり、プレッシングを重視するトーマス・フランク新体制のトッテナムにフィットする要素を持っている。
ただし、1つ懸念があるとすれば、得点力の再現性だ。昨季10ゴールのうちPKを除いたxG(期待値)は5.1で、+4.9の上振れはリーグ2位のオーバーパフォーマンス。つまり、現実の得点は本来のチャンスの質以上だったことを示しており、初挑戦となるプレミアでこの再現性を維持できるかは未知数だ。それでも、バルセロナ、パリ・サンジェルマン、PSV、ライプツィヒと欧州の名門を渡り歩いた22歳は、トッテナムが長年探し続けた“魔法を起こせる10番”として大ブレイクを予感させる。
(FOOTBALL ZONE編集部)




















