昨年度の主軸ゼロ…強豪校の逸材2年生 ライバルの代表選出に刺激「絶対に負けない」

流通経済大柏の大徳剛矢【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
流通経済大柏の大徳剛矢【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

流通経済大柏2年のDF大徳剛矢「課題から目を背けずにやっていきたい」

 ユース年代における夏の全国大会は高体連のインターハイ、Jクラブや街クラブは日本クラブユース選手権。覇権を手にしたチーム、志半ばで敗れたチーム、全国にたどり着けなかったチーム。それぞれの思いを抱えながら、全国各地のフェスティバルや合宿で夏以降の捲土重来を誓う選手たちの思いを描く“真夏の挑戦者”シリーズ。

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 第18回は優勝候補筆頭と言われたインターハイで、無念のベスト4敗退を喫した流通経済大柏の2年生CB大徳剛矢について。屈強なフィジカルと度胸を兼ね揃えた男は、来年も見据えて自らの力を磨く。

 今年のレギュラーのなかで、昨年度の主軸を張った選手はゼロ。途中から流れを変えるジョーカーだったMF安藤晃希以外は、ほぼ3年生になってから掴んだレギュラーの座という現実を見ても、いかに流通経済大柏のチーム内競争が激しいかが分かるだろう。

 今年も3年生が主軸を張るなかで、大きな存在感を放っているのが大徳だ。2位につけているプレミアリーグEASTでは11試合すべてにスタメンフル出場を果たし、1ゴールを挙げている。インターハイでも初戦の四日市中央工業戦以外は、PK負けを喫した準決勝の大津戦まですべてスタメンフル出場、1ゴールをマークした。

 180センチのサイズと当たり負けしないフィジカルを誇り、バネや出足の鋭さも特徴のCBは、常に自らの課題を炙り出しながら成長を続ける努力家でもある。

「今、僕が課題として持っているのが、クリアとヘディングの“質”です。僕は右利きで左のCBをやっているのですが、左足のクリアがどうしても短くなったり、正確性を欠いたりしてしまう。ヘッドもただ弾くのではなく、もっと味方へ正確につなげたり、危険なスペースを避けたり、もっとコントロールしないと味方が苦しくなる。これはプレミアでも薄々感じていたのですが、インターハイ準決勝の大津戦で足りないと痛感しました」

 自主トレではラフなボールを投げてもらって、正確に左足で捉えてクリアをしたり、ヘッドで狙った場所に弾いたり、実戦に近い形で課題解消に努めた。実際にプレミア後期開幕1週間前に行われた桐生第一とのトレーニングマッチでは、持ち前のフィジカルの強さと出足の鋭い守備を披露する一方で、不利な姿勢から左足でサイドのスペースにライナーのボールを蹴り込んだり、ヘッドでもボランチのMF島谷義進やサイドバック、サイドハーフが受けやすいボールを届けたりと、徹底して取り組んでいる自主トレの成果を覗かせた。

「しっかりと努力をしていれば、榎本雅大監督やスタッフが必ず見てくれていると思っています。1年生のときにルーキーリーグが主戦場で、どうしたら(セカンドチームが所属する)プリンスリーグ関東2部の試合に出られるかを考えて、まずは自分の武器である空中戦やロングフィード、対人の強さを徹底して磨いたら、最後の方に絡めるようになったんです。それに同級生にメンディー(サイモン友)がいるので、絶対に負けちゃいけないという気持ちも大きいです」

 メンディーは185センチのサイズとずば抜けた身体能力を持ち、U-16日本代表、今年もU-17日本代表に選出されている世代屈指のCB。入学当初から最大のライバルになると見ていた大徳は、メンディーが代表で不在のときにはよりモチベーションを上げて全体トレーニングと自主トレに励んだ。

 ライバルとの切磋琢磨、そして努力は裏切らないという信念を持っているからこそ、今のポジションがある。

「まだまだ課題は多いし、いつメンディーや他の選手に抜かされる可能性もある。もちろん抜かされても追いつける自信はありますが、課題から目を背けずにやっていきたいと思っています」

 学年は一切関係ない。2年生の自分がもっと成長すれば、今季だけに限らず、来季のチームにも大きなプラスを生み出していく。責任と自覚を持って、不断の努力を継続していく。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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