芸術トラップ弾は「感覚で」 浦和が講じた策に相手も混乱「ちょっと予想外でした」

浦和の中島翔哉【写真:徳原隆元】
浦和の中島翔哉【写真:徳原隆元】

中島翔哉の芸術弾も1-1ドロー決着

 浦和レッズは9月3日のルヴァンカップ準々決勝の第1戦、川崎フロンターレ戦を1-1で引き分けた。芸術的なトラップから先制ゴールのMF中島翔哉は公式戦2戦連続スタメンで存在感を示したほか、ポジションチェンジの多彩さは相手の中盤にも影響を与えた。

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 中島は直近のリーグ戦、8月31日のアルビレックス新潟戦に続き公式戦で2試合連続のスタメン出場。すると前半22分、右サイドバックのDF関根貴大がハーフウェーライン手前の右サイドから背後のスペースへ斜めにロングボールを送ると中島が反応した。背番号「10」のファンタジスタは、背面から来るボールに右足を伸ばして合わせると足先で勢いを殺す芸術的なトラップ。そのまま距離を詰めてくるGKと入れ替わるように浮かして決め、貴重な先制点をもたらした。

 鮮やかなゴールを決めた中島だが、試合後には「本当に良いボールが来たので、決めるだけでした」と、難易度の高いボールをピタリと止めたにもかかわらずサラリとコメントした。そして、GKの動きとシュートの選択は「感覚で」決めたという。

 このゲームに向け、浦和は新潟戦からスタメン9人を変更していた。中島の周囲に入ったMF原口元気やMF松本泰志だけでなく、両サイドバックの関根やDF長沼洋一もポジションチェンジを多くして、かなり流動的なポジションを取って攻撃していた。両サイドバックがダブルボランチのような位置でボールを動かした瞬間もあり、定位した場所から仕掛けることの多いリーグ戦での攻撃とはかなり違う印象があった。原口も「確かに今日はポジションチェンジが多かったので、相手は掴みにくかったと思います」と話す。

 川崎のMF橘田健人は、浦和がここまで多くのメンバーを入れ替えたことが予想外の部分はあったとして、「相手の2列目のところがうまくFWと関わりながらいろいろなところに立ってやってきていたので、ちょっと予想外でした。どちらかと言えば、とにかく1対1を仕掛けてくる展開が多くなるのかなと思っていたので」と、その対応について話していた。

 新潟戦に続き、中島が入ったことでショートパスとアクションの多い中盤の動きは今季のここまでにないパターンになっている。中島も「日々進歩していかなければいけないと思うので、チャレンジして、チームとしてやっていると思います。チームメイトがいつも動いたら(パスを)出してくれるので、そのおかげで楽しくやらせてもらっています」と話す。

 とはいえ、試合は終了間際に川崎がMF伊藤達哉のゴールで1-1の同点に持ち込んで終わった。浦和から見れば今季に繰り返されてきたもったいない形で勝利を逃すゲームになったのも事実だが、中島の起用によって明らかに以前と違う要素が出てきている部分をシーズン終盤に向けてどう生かしていくのかは注目される。

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