1年ぶり出場「ぐっときた」 万雷の拍手…浦和の22番が明かす苦悩「やっとここに帰ってこられた」

柴戸海が今季初出場を果たした(写真は2021年天皇杯)【写真:高橋 学】
柴戸海が今季初出場を果たした(写真は2021年天皇杯)【写真:高橋 学】

浦和MF柴戸海が今季リーグ初出場

 浦和レッズのMF柴戸海は、8月31日のJ1第28節アルビレックス新潟戦に途中出場。今季の浦和復帰から初出場となり、リーグ戦には約1年ぶりの復帰となったゲームを1-0の勝利で終え、試合後のインタビューでは「最高です!」と連呼した。

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 柴戸は2018年に明治大学から浦和に入団。実力をつけながら徐々に出場機会を伸ばしていった。22年には、長年浦和でプレーしたMF阿部勇樹(現浦和ユース監督)から背番号22を受け継いだ。しかし、2023年のマチェイ・スコルジャ監督の指揮下では出場機会が大きく減り、昨季はFC町田ゼルビアに期限付き移籍していた。町田では開幕から主力として活躍するも負傷を抱え、24年8月7日のセレッソ大阪戦を最後に戦線離脱して9月には手術を行っていた。

 今季に浦和へ復帰したものの、プレシーズンのキャンプもリハビリメニューで全日程を終えた。4月に全体練習には合流したものの、今月に入ってからの取材対応で「自分の中で(試合に)出られるっていう気持ちと、実際、体のフィット感、怪我のところが特にそうなんですけど、そこのズレっていうのもあった」として、「自分の試合に出たいという思いと、実際に出れるかというところのズレは、振り返ってみればあったかなと思います」と話したように、状態を整えるのには苦労があった。

 そうしたなかで、8月22日のリーグ前節柏レイソル戦で今季初の公式戦ベンチ入りを果たし、新潟戦の1-0でリードしたラスト10分で投入された。浦和のユニフォームを着て久々のゲームに「クローザー」として投入された柴戸は、万雷の拍手で迎えられた。時間は長くなかったが、期待通りに中盤を引き締めつつ相手がミドルシュートを打てるようなポジションを潰して逃げ切りにも貢献した。

 試合後に場内のインタビューを受けると、浦和サポーターの声援や拍手を受けながら「最高です!」と連呼した。ミックスゾーンでは、「ピッチに入ったときのレッズサポーターの歓声を聞いて、『やっとここに帰ってこられた』と感じました。改めて自分の中で一歩前に進めたという思いがありました」とコメント。そして、試合後のロッカールームへ向かうところで浦和サポーターによる勝利を祝う歌が聞こえてきた時のことを「言葉で表すのはとても難しいですが、胸にぐっとくるものがありました」と振り返った。

 スタンドでは、22番の先輩でもある阿部ユース監督の姿もあった。浦和復帰について、4月の練習合流時には「決断のところで難しい悩みはありましたが、(22番を)つけさせてもらった時からの覚悟は変わっていないし、戻ってくる時により強い思いも生まれました。できれば長くこのクラブでプレーしたいという思いもあります」と明かしていた。

 スコルジャ監督は「長い間、離脱していて、この試合の難しい状況の中での投入でしたが良い仕事をしてくれたと思います。彼のスキルや経験は非常に重要ですから、このようにJリーグへ復帰できたのは嬉しいことです」と、柴戸の復帰について話していた。

 リーグ戦の残り試合が10試合となったタイミングは、彼にとっては遅すぎるシーズン開幕になってしまったかもしれない。しかし、後半の戦いに課題を残して逆転負けも続いたチームにとって、柴戸の復帰は貴重な選択肢を生むと同時に勝ち点を奪いきる力を与えるはずだ。

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