浦和の10番が閉塞感を解放「多くのものをもたらした」 33試合目の”初共演”「理解し合っている」

中島翔哉が新潟戦にスタメン出場【写真:アフロ】
中島翔哉が新潟戦にスタメン出場【写真:アフロ】

中島翔哉がリーグ10試合ぶりにスタメン出場

 浦和レッズは8月31日のJ1第28節、アルビレックス新潟戦に1-0で勝利した。閉塞感が漂い始めていたチームに、今季2試合目のスタメン起用だったMF中島翔哉が変化を与えた。

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 浦和はMFマテウス・サヴィオを左に回して中島が5月24日の第18節名古屋グランパス戦以来、リーグ10試合ぶりで今季公式戦2回目のスタメン出場でトップ下に入った。MFサミュエル・グスタフソンが左のボランチに入り、テクニックのある選手たちが同じゾーンでプレーすることで小気味よくショートパスがつながる場面が増えた。中島自身も前半22分までにシュートを3本放つなどチャンスに多く絡んで積極性も見せていた。

 そして前半30分には、自陣からの縦パスをFW小森飛絢が受け、こぼれ球にMF金子拓郎が素早く反応して一気にドリブルで抜け出した。ゴール前で3対2の局面を作り、中島の走り込みをおとりにして金子からサヴィオへラストパスが通ると、右足シュートをサヴィオが決めて1-0のリードを奪った。結局、これが決勝点になった。

 後半14分にグスタフソンと同じタイミングで早めの交代になった中島自身は「打てる時は打って、勝つにはシュートを決めなきゃいけないので、そういう気持ちでした」と短く話すにとどめたが、周囲の選手たちは中島効果を感じていたようだった。

 昨季から良い連携を見せるグスタフソンは「お互い理解し合っていると思います。彼のパフォーマンスも良かったですし、一緒にプレーできて良かった」と話す。また、金子が「翔哉くんは狭いスペースでもターンしたり、受けて散らしたりできるので、彼がボールを持ったときは、なるべく自分は動き出すことを意識していました」と言葉にすれば、サヴィオも「翔哉は質の高い選手で、スマートな選手です。彼が素晴らしい試合をしました」と話した。

 起用に踏み切ったマチェイ・スコルジャ監督は「特にゾーン3で多くのものをもたらしてくれました。サヴィオがトップ下の時とはビルドアップの構造が少し変わります。でも、数日前に大学生との練習試合をしましたが、中島が非常に好調でした。フレッシュな選手をスタメン起用することも考えていました。今回はそれが中島でした」として、「彼を使うことでゾーン3でのポゼッションを高めてチャンスを増やそうとしました」と話している。

 浦和はリーグ前節の柏レイソル戦、28日の天皇杯準々決勝のFC東京戦と2試合連続で逆転負けを喫し、閉塞感も漂っている中での試合だった。中島がサヴィオと同時にピッチに立ったのは今季ここまで約20分間だけ、グスタフソンとはアディショナルタイムの数分間だけ。3人の同時出場は今季の公式戦33試合目にして初めてだった。サヴィオが今季加入だけに本当に初のトリオ結成だったが、全くをそれを感じさせないスムーズさだった。

 今季のチームで存在感を発揮してきたMF渡邊凌磨が負傷離脱中という事情もあるが、中島とグスタフソンが交代するまでの約60分間は、今までにない可能性を見せる攻撃が展開されていた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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