福島ユナイテッドFCが構想発表、日本初の完全木造スタジアム

　J3福島ユナイテッドFCは8月30日、新スタジアムの基本コンセプトを正式発表した。クラブの精神的支柱である「不死鳥」をモチーフに掲げ、震災からの復興を象徴する“再生型スタジアム”として建設を目指す。

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　福島の新スタ構想は「地域参加型『みんなでつくるスタジアム』」を掲げ、建設には福島県産の木材を使用。市民やクラブ関係者が制作工程に関わることで、地域と共に形づくる日本初の完全木造、かつ世界初の循環型木造スタジアムとなる見込みだ。

　設計思想には、日本の伝統文化「式年遷宮」の考え方を取り入れ、使用された木材は分解・再利用が可能。植林活動や木工教育を通じ、地域資源・技術・文化の持続的な循環を実現する構想だ。

　また、福島特有の盆地型気候を活用したパッシブデザインも特徴のひとつになっている。屋根や外壁の形状によって日射・風・雪を自然の力でコントロールし、冷暖房エネルギーを大幅に削減。雨水再利用や雪冷房システム、蓄電池による再生可能エネルギーの自給自足も視野に入れ、世界最高水準の環境認証「Living Building Challenge」取得を目指す。

　2011年の東日本大震災と原発事故で甚大な被害を受けた福島から、サステナブルで力強いメッセージを世界へ──。福島が挑む未来志向のスタジアム計画に注目が集まる。