3日で3試合…過酷すぎて「肉離れが2、3人」 田中パウロ淳一が警鐘「壊してはいけない」

JFL昇格を争う「地決」の現実「この短期間で試合をするというのは絶対ダメ」
J3で昇格争いをしている栃木シティのFW田中パウロ淳一は、J1から数えて5部リーグにあたる関東1部リーグから、再びJリーグの舞台へと這い上がってきた。その道のりでも特に過酷だったと振り返ったのが、「地決」とも呼ばれる全国地域サッカーチャンピオンズリーグだ。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大/全6回の5回目)
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2012年に川崎フロンターレに入団し、プロとしてのキャリアをスタートさせた田中。1年目からリーグ戦3試合に出場したが、2014年にはJ3のツエーゲン金沢へと移籍した。その後はFC岐阜、レノファ山口と渡り歩き、長らくJ2の舞台で活躍。しかし、2022年限りで松本山雅から契約満了になり、移籍先を探した。
2023年2月3日に当時関東1部の栃木シティへ加入。リーグ戦では2位に終わったが、Jリーグ百年構想クラブ枠を活用して地決への出場権を得る。グループAを3戦全勝で突破すると、決勝ラウンドでは2勝1敗の勝ち点6として得失点差でVONDS市原を上回って優勝。JFL理事会で2024年度からのJFL入会が承認された。
そんな地決の予選は3日間で3試合、決勝ラウンドは5日間で3試合という過密日程で行われる。肉体的な疲労が取れないうちに次の試合が来るため、「どのチームも肉離れが2、3人は出てしまうという感じです」と過酷な現実を明かす。
「高校でももう少し休みがありました。高校時代は100%の力を出せていると思っていても出せていない。それを考えると、高校でもそのスパンで試合していないのに、大人になってからそのスパンですると負荷が違うのは感じました」
田中自身も決勝では、運命の最終戦で肉離れのアクシデント。前半早々で交代し、JFL昇格を仲間に託す形となった。その経験から「この短期間で試合をするというのは絶対ダメなことだし、地域リーグからJ1を目指す選手もいるので、選手を壊してはいけないというのはすごく感じています」と警鐘を鳴らす。
地域リーグは仕事をしながらプレーしている選手も多いため、長期間にわたる大会を開けない事情もある。しかし、上を目指すチームなら休みを取れる体制を整える必要があると指摘。「アマチュアだから文句を言うなという風潮はあるかもしれないですが、しっかりできるチームでないと上に行けないと思っています」と持論を述べた。
地決の過酷さについて、自身のYouTubeチャンネルでも過去に発信をしている田中。「僕が言っても意味ないと思う」と謙遜しながらも、サッカー界の未来を考えている。「本田圭佑さん、吉田麻也さんとか、もっと代表での実績がある人が言う必要があると思っています」と、改善のきっかけに期待を寄せた。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)




















